中東にある「イスラエル」という国でアメリカ人の彼氏と暮らしていたとき、「アッコ」という名前の町で、「アッコ」という名前のゲイ(凸)と3人で遊ぶことになりました。「アッコでなにするん?」と聞くと、「アッコにおまかせ!」と言われてしまったがぅちゃん。この記事は、そんな状態でアッコにおまかせしたときの記録です。
「いい天気だな。」と感じていた休日の朝、アメリカ人の彼氏が、「アッコが『遊ぼ〜。』って言ってる!」と言ってきます。
翻訳すると、「イスラエルにある『アッコ』という名前の港町で、そこに住んでいるというだけで彼に『アッコ』とあだ名をつけられたゲイの友達(凸)が、『アッコで一緒に遊ぼ〜。』と誘っている」とのこと。
「アッコでなにするん?」と聞くと、「観光とかランチとか!? アッコにおまかせ!」と彼。
それを聞いたがぅちゃんは、「アッコがアッコの観光案内とかしてくれるんかな? おもしろそう。」となります。
アッコに到着するやいなや、「アッコ、遅れてくるってさ!」と彼。
アッコいわく、「ランチには間に合うから観光してて〜。お店選びはまかせるね〜。」とのこと。
「アッコがおまかせしとるやないか。」と思いながらも、3人でランチするまで、2人で観光することに。
世界遺産の「アッコ旧市街」で散歩を堪能した我々。
京都出身のがぅちゃんが「京都に行く外国人もこんな気分なんかな。」と軽い気持ちで言うと、なにかのスイッチが入った彼が、「外国人といえばさ! イスラエル人が暮らすこの国が誕生した1948年より前からここに住み続けている『パレスチナ人』って、今は何人なのかな!? ていうかそもそも、外国人って誰のことなのかな!?」と、難しいことを言ってきて、泣きそうになります。
涙目のがぅちゃんに向かって、「あれれ!? どうしたの、がぅちゃん!? 感動しているの!?」と彼があおってきて、「このままやとケンカなんぞ。」となったとき、どこからともなく「ファックユーW」という声が聞こえてきました。
「あれ、心の声、もれてる?」と思っていると、だんだん声が大きくなっていき、「ニーハオW」とか「ジャッキー・チェンW」とかも聞こえてきます。
振り向くと、アラビア語を話す子供たちに取り囲まれていて、ラッパー「千葉雄喜(ちばゆうき)」のミュージックビデオみたいな盛り上がりに。
どうやら地元の子供たちが、がぅちゃんのことをジャッキー・チェンと勘違いしたみたいで、スーパースターとして扱われたがぅちゃんとしては、自己肯定感があがりました。
彼らがイスラエル人なのかパレスチナ人なのかはわからないけれど、がぅちゃんが外国人であることには間違いなさそうです。
「アッコ、ランチにも遅れるってさ!」ということで、お腹ぺこぺこだった我々は、先にいろいろ注文して食べることに。
Uri Buriは有名なお店らしく、彼いわく「イスラエルでいちばん有名なレストランのひとつ! ネットフリックスのドキュメンタリーとかでも紹介されてるよ! 2017年のトリップアドバイザーのランキングでは、中東全域のレストランで1位! シーフードの有名店だから、大阪の『居酒屋 とよ』みたいな感じ!?」だそうです。
「やっぱサーモンは間違いない。」とか言いながらモリモリ食べていると、うっかりごちそうさましてしまった我々。
「あれ、食べ終わりましたけど?」となりつつも、念のため、「アッコどうなってんの?」と彼に聞くと、「あれれ!? 言ってなかったっけ!? アッコ、ドタキャン!」と言われてしまいました。
「なんかむかつくぞ。」と思ったけれど、ジェスチャーが和田アキ子の曲『笑って許して』のジャケットみたいになっていてお茶目だったので、笑って許してあげました。