旅ライターのがぅちゃんです。ゲイ向けでは無いけれど…ゲイたちにおすすめしたいエッジの効いたお店を紹介する連載企画〈GAYめし〉。
今回は、京都にあるレバノン料理屋「汽[ki:]」を紹介します。
京都の観光地といえば、「四条河原町/しじょうかわらまち」が一番有名だと思います。私は京都生まれ京都育ちですが、そう言われてもおかしいとは思いません。
四条河原町は京都最大の繁華街ですし、東京でいうところの「渋谷」とか「新宿」のような場所です。
ゲイバーは四条河原町の「木屋町通/きやまちどおり」あたりに集結しており、京都で夜遊びする場合も、このあたりをうろつくことになります。
そんな四条河原町から1km南にあるのが「清水五条/きよみずごじょう」です。東京で例えるなら、原宿から渋谷に行く感じに似ています。
京都観光でよく使う京阪電車の「祇園四条駅」から一駅の、「清水五条駅」が最寄りです。
清水五条駅周辺の雰囲気は、四条河原町とはガラッと変わり、落ち着いています。
「京都で話題の洗練された飲食店が集結しているエリア」というイメージがあります。
清水五条駅から南にある、木屋町通の高瀬川沿いに「汽」はあります(高瀬川沿いを散歩するのも、風情があって良いです)。
「汽[ki:]」というのが正式名称で、「レバノン料理屋」「ファストカジュアルレストラン」として認知されています。
レバノンは、中東地域で地中海に面した国で、私が昔住んでいたイスラエルの隣にあります。食文化はイスラエルとほぼ同じで、「レバント料理/Levantine cuisine」に分類されます。
レバントとは、イスラエルやレバノンを含む「レバント地方」という意味があります。
「レバノン料理屋」ではありますが、レバノンの文化をレペゼンしているタイプのお店ではないようです。アラビア語とか中東の文化などとは無縁な様子。「極めてコンテンポラリな京都の飲食店」という印象を受けました。
高瀬川が控えめに流れるエレガントな地域のバイブスに溶け込んでいる気がします。
エントランスには薪がつまれていて、ログハウスの匂いがしています。扉を開けるとグリルされた野菜や肉の香り。いらっしゃいませすると、嗅覚から非日常にログインします。
エントランスの横にあるレジのタブレットで注文&決済をすませてから着席します。お店に行く前にメニューを見ておくといいかもしれません。
レバント料理の定番メニューが厳選されています。「ファラフェル」「フムス」「シャワルマ」などあります。
ファラフェルはひよこ豆のコロッケ、フムスはひよこ豆のディップ、シャワルマは肉のグリルです。これら3つは、日本料理でいうところの「米」「味噌汁」「焼鳥」みたいな感じです。
汽は、レバント料理である「レバノン料理」ということになっていますが、あくまでも現代レバント料理という感じです(シェフはフランス料理のバックグラウンドがあることでも知られています)。
料理はおおむね、レバノンとかイスラエルの都会の人が普通に好む感じだと思います。
わかりにくい例えをあえて使うと、汽の近所にあるアメリカンジャパニーズの「ロリマー京都」の朝食を日本人が食べたときの感じ、になるような気がします。
こじんまりとしたお店なので、静寂が気まずくない関係性ができあがった2人で行くのがいい気がします。デートのランチとかにも良さげです。京都の住宅でごはんをいただいているような感覚も味わえて、空間も美味しいです。
汽はレバノン料理屋ではありますが、その地域の料理を知らないと楽しめないタイプのお店ではないです。
店員さんがメニューの説明やフォローをしてくれます。「何も知らずに中東料理屋に迷い込んで何を食べればいいのかわからなかった」とかにはならないはずです。
あと、注意ということではないのですが、コリアンダー(パクチー)がどっさり含まれる料理が多いので、苦手な人は注意すべきかもしれません。
逆に、京都でこんなにコリアンダーをほうばれるお店はないので、好きな人にはぶっ刺さりそうです。