旅ライターのがぅちゃんです。
英語圏で主流のお笑いに「スタンダップコメディ」というのがあります。「英語の漫談」と言えるパフォーマンスです。
スタンダップコメディのパフォーマーのことを「スタンダップコメディアン」と呼びます。
この記事では、有名なLGBTQのスタンダップコメディアンをまとめて紹介していきます。(動画つき)
「スタンダップコメディ/stand-up comedy」とは、「英語の漫談」のこと。英語圏で主流のお笑いです。
スタンダップコメディは単独で行うのが一般的なので、スタンダップコメディアンは日本の「ピン芸人」に近い存在と言えます。
スタンダップコメディを日本のお笑いで例えると、TV番組「人志松本のすべらない話」のエピソードトークを舞台で披露するようなパフォーマンス。と言えるでしょうか。
スタンダップコメディはアメリカのアートとも言われています。
その起源は、黒人への差別的な表現で知られる1840年代の大衆演劇「ミンストレル・ショー」で行われた話芸「スタンプ・スピーチ」。という説が一般的。
現代のスタンプ・スピーチは「街頭演説」を意味します。政治家の話も、笑いに着地すればスタンダップコメディにならなくないです。
スタンダップコメディの本質は「ストーリーテリング」と言われます。つまり「あの感じを言葉で伝える」という術のこと。文学にも通ずる芸と言えるでしょう。
昨今では、メジャーなLGBTQのスタンダップコメディアンどころか、ニッチなベア系スタンダップコメディアンまで出現しています…
…ということで、ひとまず有名どころのLGBTQスタンダップコメディアンをまとめました。
スタンダップコメディに本腰を入れているアメリカのドラァグクイーンが、ボブ・ザ・ドラァグクイーン。「ル・ポールのドラァグ・レース」のシーズン8の優勝者です。
ネタの聞き応えは「謙虚で常識人なゲイの世間話」。見応えはというと、尺八のネタが「月刊コロコロコミック」の表紙みたいにポップな表現で感動しました。
イギリスのベテラン・スタンダップコメディアンが、ジーナ・ヤッシャー。「ナイジェリア人にイギリスで育てられたレズビアンの話」と言えるネタが多いです。
圧倒的な実力者で、黒人特有の滑稽な体験を、万人が共有して爆笑できるように伝えています。滑稽がなんとやらを見抜いた、ストーリーテラーの鏡。
レズビアンであり、アメリカの国民的スターのエレン・デジェネレス。本人が司会のTV番組「エレンの部屋(The Ellen DeGeneres Show)」が「徹子の部屋」と比較されることも。
馬鹿を馬鹿にしたい人が笑顔でウィットで攻めてくるという怖さが面白いです。「リベラルで教養のある現代のアメリカ人の社会」を見据えたような漫談。
ライブ中に癌を告白して話題になったアメリカのスタンダップコメディアンが、ティグ・ノタロ。真顔でパフォーマンスするテクニック「デッドパン」の名手です。聞き心地が小説。
宇多田ヒカルが、国内ツアー「Laughter in the Dark Tour 2018」のコンセプト「絶望の中のユーモア」のヒントとして参考にした人物として知られています。
アジア系アメリカ人のスタンダップコメディアンとして最も有名と言ってよい知名度の、マーガレット・チョー。
アメリカ社会におけるアジア人の滑稽さをネタにしつつの、おげれつレズビアン。といった聞き応え。愉快です。
アメリカのリアルなゲイが喋っている。という感じが生々しい、ジョエル・キム・ブースター。韓国の済州島出身です。
芸風は、生意気でいじわるでエッチ。「アメリカのゲイのアジア人あるある」という聞き方もできて、勉強になります。
テキサス育ちの中国系アメリカ人の俳優としても知られているゲイのスタンダップコメディアンが、クリス・グレイス。
ほんっとにそのへんにいるアジア系アメリカ人のおじさん。という雰囲気が最高です。すべりそうですべらないオヤジギャグもなかなか。
トランスジェンダー女性でレズビアンの、ベトナム系アメリカ人スタンダップコメディアンが、ロビン・トラン。(トランはベトナムの名前で、動画ではこれがネタになっています。)
ネタは、「いじりの対象になってしまうトランスジェンダーの自虐」といった聞き応え。重めの愚痴という感じで、ブラック・コメディと言える味わい。
トランスジェンダー女性のアメリカ人スタンダップコメディアンが、ジュリア・スコッティ。文句しか言わないのに温かい、おばあちゃんの話。といった聞き応え。
そのスタイルは、自らの人生を語る、スタンダップコメディの王道「アネクドータル・コメディ」。ごりごりのストーリーテリングです。
イギリスを代表するスタンダップコメディアンのひとりが、トランスジェンダーのスージー・エディー・イザード。2020年に性自認を女性としたことで話題となりました。
性別が変わってもユーモアの質が変わったように聞こえず、あいかわらずレジェンドな面白さ。これがほんとのトランスジェンダー漫談。
トランスジェンダーでもドラァグクイーンでもない、ゲイのクロスドレッサーのイギリス人スタンダップコメディアンが、ジュリアン・クラリー。
ちょっと昔の「オカマ」や「オネエ」といった形貌で、漫談もその通りの内容。風情を肴にしたネタが多くて味わいぶかいです。名人ゲイ。
英語圏のドラァグクイーンや女装キャラのレジェンドと言えるのが、オーストラリアの国民的スター、デイム・エドナ・エバレッジ。
その正体は、ヘテロセクシュアル男性のコメディアン「バリー・ハンフリーズ」による「キャラクター・コメディ」。主婦という設定なので、LGBTQとは無縁(のはず)。
デイム・エドナ・エバレッジと同じく、クロスドレッサーでヘテロセクシュアルの、キャラクター・コメディ。