今週末なにしよう?
アカデミー賞で話題の映画を観る?新スポットの麻布台ヒルズに行く?愛犬とお散歩、もしくはお家でNetflixを見て過ごす?
そんな週末の選択肢として、オススメしたいのが「HIV検査」だ。
東京・立川にある「多摩地域検査・相談室」は、東京都が運営する匿名・無料のHIV検査施設。週末限定で運営していて、即日検査できるのが特徴。
ゲイ・バイたちにおすすめの施設なので、ぜひ紹介していきたい。
東京・JR立川駅南口から徒歩9分にある「多摩地域検査・相談室」。
立川駅といえば、東京の西側住民にとってはターミナル駅だけど、新宿近辺に住む人たちにとっては少し遠い存在かもしれない。
東京都が運営する施設は新宿にもあるけれど(新宿東口検査・相談室)、アクセスの良い新宿ということもあり予約が取れないことも多々あるそう。
その点、立川は新宿よりも空いてて予約が取りやすい。
そして最大の特徴は、HIVと梅毒の即日検査をしてくれるところ!
結果を聞きに2度来室する手間がなく、忙しい現代人にはうれしいサービス。
昨年度までは土曜のみの営業だったが、今年度からは土日ともに営業しているそうで、ゲイ・バイ男性の利用率も高いそう。
今回、検査の流れを体験させてもらった。
こちらの施設は完全予約制。
まずは受付で整理番号をもらい、申込書に必要情報を記載していく。
匿名なので、名前や住所など個人情報を記載する必要はなし。プライバシー面も安心だ。
申込書に記載をすませ、採血用の試験管をもらう。
お次は「採血」だ。
医療スタッフから説明の後、試験管に採血をしていく。
採血は緊張するけれど、、、摂取する血液は少量なのでご安心を。
採血が終わると、待合室で待機。
待ち時間の間、医療スタッフによる簡単なカウンセリングを受けられる。
もしHIVや梅毒、その他の性感染症で知りたいこと、不安なことがあれば気軽に相談してみよう。
検査の待ち時間は約40分から1時間ほど。
即日検査ということもあり、当日結果を判定するために少々時間がかかる。
検査を含めるとトータル1時間から1時間30分程度かかるので「少し長いかも…」と感じるが、結果を聞くために2度来院するよりはるかにラク!
検査結果が出たら、医師による説明があるので個室に移動。
整理番号に照らし合わせて、HIVと梅毒の結果を教えてくれる。
検査結果を聞くのは緊張するよね。
先生含め施設のスタッフはゲイフレンドリーな方ばかりなので、気になることがあれば色々聞いてみよう。
HIVと梅毒はどうやって気をつければいいのだろう?
予防と治療について、先生に質問してみた。
こちらの施設の特徴を教えてください。
こちらの施設では、HIVと梅毒の即日検査が受けられます。
また、新宿などの施設に比べて予約が取りやすいと思います。
最近はどこも予約が取りづらい状況なので、比較的空いている当施設はおすすめですね。
どんな利用者が多いですか?
利用者は男性が8割で、年代は20代〜40代くらいが多いです。
MSM(ゲイ・バイ男性)の方も半数くらいだと思います。
訪れるキッカケは、定期的な検査をしたいという方、リスクの高いセックスをしたので検査したいという方、パートナーと一緒に検査を受ける方など様々です。
いろんな方が検査に来られているんですね。
最近は梅毒が流行っていることもあり、ネットやCMで見て検査を受けにきましたという方も増えています。
例えば、以前フレディー・マーキュリーの映画* が公開されたときにはかなりの人が検査に訪れていました。やはり社会的にHIVが話題になるときに検査に来る方が増える傾向にあります。
HIV検査は緊張する人も多いと思います。もしHIV陽性になった場合、どうなりますか…?
たとえHIV陽性だとしても、今は医療が進歩して、毎日薬を1錠内服する治療が主流になりました。昔に比べて負担が少なくになったと思います。
ちゃんと治療を続けていれば非感染者と平均余命も変わらないといわれていますし。
だから、早めにHIVを発見して治療する、そして他者に感染させないということが大切だと思います。
早めの検査が大事なんですね。HIV関連だと、他にどんな相談が多いですか?
最近はPrEPの予防効果やコスト面について聞かれることが多いです。
注意点として、PrEPのHIVの予防効果は100%に近いのですが、梅毒など他の性感染症には効果がないということです。
実際にPrEPをしている人が梅毒にかかってしまうこともあるので、コンドームはちゃんと使いましょうという話はよくします。
最近は「梅毒」が増えていると聞きました。
梅毒は急増していて、昨年度は東京都で(調査開始以来)過去最多を記録しています。
私は10年ほど勤務していますが、体感的にもここ1〜2年は多いと感じています。
梅毒になると、どんな症状がでますか?
梅毒には、1期、2期、3期、4期とあって、段階的に進行していきます。
1期(感染から3週間〜3ヶ月)では、ペニスや肛門などにしこりができますが、かゆみや痛みがないので気づかず放置する人も多いです。
2期(感染から3ヶ月~3年)は、手のひらなど全身に発疹(バラ疹)が出ます。この頃に気付いて、検査を受ける方が一番多いですね。
治療しないまま放置すると、3期(感染から3~10年)、4期(感染から10年以降)と進行していきます。
ただ、3期、4期まで進行する人はほとんど見たことはないですね。
もし梅毒になった場合の治療法とは?
HIVはウイルスですが、梅毒は細菌。
細菌なので、抗生物質を飲んで治療すればちゃんと治る病気です。
治療法は、薬を約1ヶ月間内服するのが一般的ですが、最近では早期であれば注射を1回打つだけの治療もあり選択しが拡がりました。
ぜひ検査を受けて早めに治療してほしいですね。
梅毒になるとHIVにもなりやすいと聞きますが、いかがでしょう?
「梅毒だからHIVになりやすい」というより、梅毒になる人は他の性感染症に同時にかかっていることが多いということです。
MSM(ゲイ・バイ男性)の場合だと、HIV、梅毒、淋菌、クラミジア。この4つがポピュラーですが、同時に複数かかっている方も多いです。
HIVと梅毒にならないために、気を付けることとは?
HIV、梅毒、その他のあらゆる性感染症を防ぐためにもコンドームの適切な使用が大事です。
同性同士だと、コンドームを使わない方も多いので注意が必要ですね。
なるべく不特定多数の人とはセックスをしない、気になる行為があった場合には、適切な時期に検査を受ける必要があると思います。
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先生いわく、検査の目安は半年〜1年に1回程度。
HIVや梅毒などの性感染症は、会社の健康診断などでわかることはないので、自分で検査をする必要がある。
「最近検査していないな」という人は、ぜひこの機会に行ってみよう。
こちらの施設は週末限定かつ、予約も取りやすい。
検査をしてスッキリしたら、そのあとは駅前でショッピングしたり映画を見たりお茶したりと、半日過ごしても楽しい。
ぜひ気になった人は足を運んでみて。
東京都多摩地域検査・相談室
住所:東京都立川市柴崎町2-21-19「東京都立川福祉保健庁舎内」2階
(JR立川駅南口から徒歩約9分、多摩モノレール立川南駅から徒歩7分、多摩モノレール柴崎体育館駅から徒歩9分)
検査日:土曜日・日曜日(年末年始、祝日を除く)
予約方法:
こちらの施設は完全予約制。電話でのみ予約を受け付けている。(もし予約いっぱいの場合でも、新宿東口検査・相談室や他の都保健所の予約を相談することも可能)
東京都HIV等検査予約センター
050-3801-5309
受付時間|10時〜20時(年末年始を除く)