『ゲームとLGBT』
一見関係性が無いように見える2つのキーワード。
しかし、任天堂のトモダチコレクション騒動に代表されるように、世界的なLGBT権利運動によって、ゲーム業界にもLGBT化の波が訪れている。
今回は、日本を始め世界のゲーム業界に起こる『ゲームとLGBT』の潮流をまとめてお伝えしたい。
米・大手ゲームメーカーのElectronic Arts社(以下、EV社)のシミュレーションゲームThe SIMSでは、肌の色、性別、性指向に問わない多様性を重視したゲームとして、LGBTを始め世界中で人気を博している。
またEV社では、2013年3月に、ゲーム内のLGBT問題に焦点を当てた初のイベントThe Full SpectrumをNYで開催し話題となった。
同イベント主催者は次のように語っている。「私たちはLGBTに関する話題に反対や憎悪のコメントを受けてきました。今こそ『LGBTとゲーム』双方の問題について隠す事なく話合うべきだと思いイベントを企画したのです。」
ゲームの観点からLGBT問題を解決しようとする同イベントの取り組みは、バーチャルと現実世界の垣根を越えた、極めて先見的な活動といえる。
LGBTがテーマのユニークなゲーム
2014年6月、ゲーム会社として歴史のあるATARI社のユニークなゲームが注目を集めている。LGBT向けに誰でもプライドパレードを運営できるゲームアプリ『PrideFest』を発表したのだ。
気になるその内容は、ゲームの中でプライドパレードを開催する都市を選び、企画・運営してパレードを成功まで導くといったリアリティーあるストーリー仕立て。発売前ではあるが、コンセプトの面白さから注目を集めている。
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