こんにちは!台湾在住ライターのMaeです。
台湾旅行と言うと、行き先としてまず思い浮かべるのは「台北」。もちろん、台北にも見どころ盛りだくさんで、充分に楽しめるのは間違いありませんが、台北以外の都市も、それぞれに特徴があっておもしろいんです!
高鐵(台湾新幹線)や、国内線の飛行機を利用すれば、台北から他の主要都市へ1~2時間ほどで到着することも可能!他都市へも気軽に足を伸ばせるのは、台湾旅行ならではの醍醐味の1つです。
今回は、台北を飛び出して、台湾各地の6つの街へ。どんな見どころがあって、どんなことが楽しめるのか、それぞれの魅力をハイライトでご紹介します。
2020年末にはMRTの開通をひかえ、CNNの報道では「台湾で最も住み良い都市」の名誉も。人口規模では台湾第2を誇る中部の都市「台中」へは、高鐵(台湾新幹線)で台北から最速45分ほどで到着できます。
台北にも負けない都会的な景観が広がる台中の中心部。「國立台灣美術館」や「台中國家歌劇院」など、台湾を代表するアートの発信地も、ここ台中にあります。
台中國家歌劇院の曲線美を生かした有機的な設計は、日本人建築家・伊東豊雄氏の手によるもの。館内へと足を踏み入れると、まるで真っ白な洞窟に迷い込んだかのような神秘的な光景が広がります。
台中の繁華街と言えば、台北の西門町にも似た若者の街「一中街」や、モダンなレストラン・カフェなどが集まる「草悟道」が有名。
草悟道周辺は、脇道にもおしゃれなショップが軒を連ねており、隈なく散策してみるのがおもしろいエリアとなっています。
今や世界中にその名を轟かせる「珍珠奶茶(タピオカミルクティー)」のルーツも、ここ台中にあり!珍珠奶茶発祥のお店と言われる「春水堂」で、本場のタピオカミルクティーを堪能するのもお忘れなきよう。
台鐵(台湾鉄道)台中駅からすぐのところにある、とびっきりアートなお菓子屋さん「宮原眼科」や「台中市第四信用合作社」のアイスクリームも、台中に来たらぜひとも味わっておきたい名物です。
台中ならではの賑やかな夜を体験するなら「逢甲夜市」へ。
逢甲大學のキャンパス周辺に、屋台やローカルグルメ店がひしめき合う台湾最大の夜市には「大腸包小腸」や「臭豆腐」、「雞排」など、行列のできる名物グルメが目白押し!現地の方もお墨付きのおいしいローカルグルメを一挙に食べ歩きできる、イチオシのエリアです。
まだまだ海外から観光で訪れる方は少ない印象ですが、台湾南部の街「嘉義」にも見どころたっぷり!
台北からは、高鐵(台湾新幹線)で最速90分ほど。日本統治時代に甲子園出場を果たした嘉義農林野球チームの姿を描き、台湾で大ヒットを記録した映画『KANO』の舞台となった街として知られています。
檜の産地として知られる阿里山にて、林業に携わる人々の宿舎として使われていた日本式家屋群「檜意森活村」は、『KANO』の撮影ロケ地にも採用されました。
日本統治時代に建てられた監獄がほぼ当時のままの完全な状態で保存されている「嘉義舊監獄」、嘉義神社の一部として使われていた建物がモダンな資料館に生まれ変わった「嘉義市史蹟資料館」なども巡ってみると、当時の様子や歴史について学ぶことができます。
嘉義農林野球チームの選手像が立つロータリーが見えたら、そろそろ「文化路夜市」に到着。夜市内はもちろんのこと、街中に看板を見かける「火雞肉飯」は、嘉義に来たらぜひ堪能しておきたい名物グルメです。
「火雞」とは、七面鳥(ターキー)のこと。茹でたお肉に、ねぎ油ソースをかけただけのシンプルさながら、お店によって風味が全く異なるので、食べ比べをしてみるのもおもしろいです。
また、台北には「故宮博物院」という有名な博物館がありますが、その分館となる「故宮南院」が嘉義にあります。
館内には、台北の故宮博物院からやって来た国宝級の宝物が期間限定で展示される他、世界各国から集められた宝物の数々を間近に見学できます。高鐵(台湾新幹線)嘉義駅からバス1本で向かえますので、ぜひ嘉義到着・出発に合わせて足を伸ばしてみてください。
台北からは、高鐵(台湾新幹線)で最速90分。
嘉義の南隣に位置する「台南」は、台湾の古都として知られる街。かつて台湾の中心はこの街にあり、現在でも街の至るところに、昔ながらの趣がのこるスポットや家屋の数々がのこされています。
オランダ統治時代に城として築かれ、のちにその跡地に海の神様など祀る目的で建立された「赤崁樓」や、孔子を祀る廟の中では台湾最古と言われる「孔子廟」、日本統治時代に開業され、復刻版デパートとして蘇った「林百貨」など、台南市街中心部には、現代にその歴史を伝えるスポットが盛りだくさん!
台南市街地の見どころは、徒歩でも充分歩いてまわれる範囲に集まっているので、お散歩がてらゆっくりと巡ってみるのがおすすめです。
近年では、古民家にリノベーションを施したレトロでおしゃれなカフェやゲストハウスも急増中!入り組んだ路地ナカに突如として現れる場合も少なくなく、歩けば歩くほどに新しい発見に出会えます。
台南でしか味わえない、特別な滞在を楽しみたいなら、古民家で暮らすような旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
また台南は、台湾で最も早い時代に栄えた街ということもあり、「美食の都」としても有名。
台湾ローカルグルメの多くは、ここ台南にルーツを持っているとも言われており、街のいたるところで老舗のおいしいグルメを堪能することができます。
「虱目魚(サバヒー)」という白身魚を使ったお料理や、新鮮な生牛肉にあつあつスープをかけていただく「牛肉湯」、産地ならではのフレッシュフルーツをその場でカットして盛り合わせてくれる「水果切盤」などは、台南でぜひ堪能したい名物グルメです。
砂糖を使ったほんのり甘みを感じる味つけが多いのも、台南グルメの特徴。台湾の古都までやって来たら、美食の都の真髄もたっぷり堪能しちゃいましょう!
台南からさらに南下すると、台湾南部最大の都市「高雄」に到着。
高鐵(台湾新幹線)を利用すれば、台北から高雄(左營駅)まで最速90分ほどで向かうことができます。
高雄は、海に面した港町ならではの風情を存分に楽しめる街。「西子灣(哈瑪星)」~「鹽埕埔」にかけてのエリアには、古民家や伝統市場、老舗グルメ店などが集まっており、高雄観光でははずせない人気エリアとなっています。
西子灣にある「鼓山渡輪站」から連絡線に乗って、対岸の「旗津」まで足を伸ばすと、海水浴ができるビーチや、新鮮な海の幸を使った海鮮料理のお店、海沿いを走るサイクリングロードも!
海の魅力を間近に感じたい時に、ピッタリのエリアです。
また近年では、ウォーターフロントエリアの再開発も進行中。「駁二藝術特區」を皮切りに、「棧貳庫KW2」「MLD台鋁」など、港沿いの倉庫や工場跡地にリノベーションを施したおしゃれスポットも続々登場しています!
高雄のランドマークである「高雄85大樓」の正面には、高雄港を望む図書館「高雄市立圖書館」が。図書館の屋上から望む港の夕景は、とても美しいので必見です。
MRT(地下鉄)に続いて、LRT(路面電車)も開通し、高雄市内の交通もますます便利に。
MRT「美麗島」駅と「中央公園」駅は、世界で最も美しい地下鉄駅にも選ばれていますので、利用時にはぜひ駅構内のデザインにも注目してみてください。
中央山脈を挟んで反対側の台湾東部は、台湾ならではの美しい大自然が広がるエリア。
東部の県の一つ「花蓮」へは、台北から台鐵(台湾鉄道)で最速2時間、台北・松山空港から国内線の飛行機を利用すれば、50分で到着できます。
花蓮と言えば最も有名なのが、県北部に広がる「太魯閣國家公園」。空高くそびえる山と、深く切り込んだ谷、山々が浜辺まで迫ろうかという海岸線は、台湾東海岸に来たことを実感させられる風景です。
世界遺産級とも称される圧倒的な景観の中に身を置いていると、人の力が及ばない大自然の偉大さを改めて思い知らされます。
色とりどりの小石で埋め尽くされた「七星潭」は、台湾東海岸の魅力を間近に感じられるスポット。お天気に恵まれれば、まばゆいほどに青く輝く美しい海を望むことができます。
小石が波へと巻き込まれる “サーッ” という音に耳をすませながら、ぼーっと海を眺める時間は、まさに至福のひとときです。
そんな美しい自然に四方を囲まれた花蓮市街にもまた、見どころがたくさん。
酒蔵をリノベーションしたフォトジェニックな「花蓮文化創意產業園區」、そのおとなりに広がる「溝仔尾」や「節約街」周辺エリアには、昔ながらのグルメ店やかわいいショップ、カフェなども集まっています。
夜にはおよそ400もの屋台がひしめき合う「東大門夜市」で、花蓮ならではのローカルグルメ食べ歩きを楽しむのもおすすめです。
花蓮から、さらに台湾東部を南下していくと「台東」に到着します。
花蓮から台東市街までは、台鐵(台湾鉄道)で最速90分。台北・松山空港から国内線の飛行機を利用すれば、1時間で到着です。
花蓮の県境を越え、台東へと入ったすぐのところにある「池上」は、台湾を代表する米どころとして知られる街。
見渡す限り一面に広がる水田の中に、こんもりとした木がぽこぽこと佇む風景は「國家風景區」にも指定されており、まるで風景画の中のような世界が壮大なスケールで広がります。
ここ池上は、台湾の航空会社・エバー航空のCMロケ地に採用されたことでも有名。CM中で金城武さんが木陰でひと休みしていた木は「金城武樹」と名付けられ、記念撮影に勤しむ人々で賑わいます。
台鐵(台湾鉄道)池上駅周辺には、レンタサイクル店もありますので、緑の楽園を自転車で駆け抜けてみるのがおすすめ。今や台湾中で親しまれている名物弁当「池上飯包」も、ぜひ本場で味わってみてください。
先ほどの花蓮も含めてですが、台湾東部は「台灣原住民族」と呼ばれる人々が多く暮らす土地としても知られています。
阿美族、排灣族、卑南族、布農族、離島の蘭嶼に暮らす達悟族など、一口に台灣原住民族と言っても、その文化や背景は様々。台東の市街を歩いてみても、彼らの多様な文化が深く息づいているのを感じることができます。
台東バスターミナル近くの「鐵花村」では、夜になると台灣原住民族のアーティストの方が路上ライブをしていたり、近くのバーからも歌音が響き渡って来たりと、音楽でいっぱいの賑やかな雰囲気に。
コーヒーや手作りスイーツ、雑貨などを扱うコンテナショップや屋外テントも並んでいますので、台東ならではのおみやげ探しにもピッタリです。
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今回は台北を飛び出して、台湾の6つの都市についてハイライトでご紹介しました。
台北以外の街へも足を運んでみれば、新たな台湾の魅力に出会えること間違いなし!次回台湾へお越しの際には、ぜひ台湾各地の都市へもお出かけしてみてくださいね!