今年9月全米公開予定の映画『Stonewall(原題)』に対し、LGBTら2万人以上がオンライン署名によるボイコットを呼びかけている。
先日、同映画の予告編が公開されるやいなや、同映画の内容が「事実と違う」「実話にインスパイアされ、ハリウッドによって壊された物語」などと非難殺到。
その理由はというと、「ストーンウォールの反乱」の中心にいた黒人などの有色人種やブッチダイク(男っぽいレズビアン)、トランスジェンダーの存在がかき消され、架空の白人男性をヒーローに仕立てたストーリーで構成されている点だ。
現在のLGBT権利運動の始まりといわれる歴史的事件「ストーンウォールの反乱」は、NYのゲイバーだったストーンウォール・インが、1969年に警察による踏み込み検査を受けた際に居合わせたゲイたちが初めて公的権力に立ち向かった抵抗運動。
この抵抗運動を機に、ゲイ解放運動がアメリカから世界中に波及。反乱が起こった6月の最終週末を記念し、現在は世界中の都市でプライドパレードが開催されている。
この反乱の口火を切ったのは、黒人ドラァッグクイーンまたは、プエルトリコ系のトランスジェンダー女性だといわれている。しかし、劇中で反乱を牽引したのは白人ゲイ男性ダニーなのだ。また、今回ドキュメンタリーベースの映画にも関わらず、主人公ダニーは実際には存在しない架空の人物とのこと。
今回の映画についてボイコットをしている人々の意見を見ると、「ホワイトウォッシング(白人文化ではないものを、あたかも白人がしたように歴史を塗り替えること)」だとして非難している。
いま一度、先日公開された予告編動画を見てみよう。
同映画のボイコットを呼びかけるハッシュタグキャンペーン『#NotMyStonewall(我々のストーンウォールじゃない)』まで登場し、LGBT当事者からの反感を買っている。
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