芸術の秋、感性を刺激するアート系映画が見たくなる。現在公開中の映画『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』はもう見た?
この映画は、演劇の神様と評されるピーター・ブルックの、門外不出のワークショップを映像化した貴重なドキュメンタリー作品となっている。
彼独自の“なにもない空間”という演劇論に基づき、最小限の装置と小道具、俳優の肉体から、イマジネーション豊かな劇空間を生み出す舞台で、世界中の観客を魅了してきた。彼の静謐でシンプルな言葉は、演劇から人生哲学へと発展する。演劇人ならずとも、あなたの感性を刺激するだろう。
STORY
「舞台はどうすれば真実のものになるだろう?悲劇か喜劇にしてしまうのはとても簡単なこと。でも、何より大切なのはそのぎりぎりのところを綱渡りすることなんだ」
ピーター・ブルックは世界でもっとも尊敬を集める、現代演劇に革命を起こした演出家のひとりである。そのブルックが、本物の舞台を生み出すために、そして役者も観客も観たことのないような新しい舞台を作るために、長年にわたり実験と実践を重ねて作り上げてきたのが、卓越したパフォーマンスを可能にする取り組みである“タイトロープ”だ。
そして今回、40年ぶりに幕をあげて、“タイトロープ”が舞台上でどのような魔法を役者に施すのか披露してくれることになった。
5台の隠しカメラを使った密着取材という、ドキュメンタリーとしては型破りな『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』は、ありのままの瞬間をカメラが邪魔することなく、ピーター・ブルックとその一座の仕事ぶりに肉迫し、創造のプロセスにひそむ魔法を驚くほどはっきりと描き出す。
『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』はブルックの哲学と人生の鍵となるものであり、観た者をも変えてしまう。ブルックその人に迫るこのユニークな映画は、濃密なワークショップから、哲学的な経験への綱渡りに観る者をいざなう――。
『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』
9/20より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開中。
(TOHO シネマズ梅田/TOHO シネマズ西宮ほか)
PHOTO ©Brook Productions/Daniel Bardou