2019/04/13

【特集】10年に1度の傑作ゲイ映画『ノーマル・ハート』とは?

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ジェンクシーの読者にはゲイ映画好きな人も多いはず。

 

ゲイ映画の名作といえば『ブロークバック・マウンテン』や『ブエノスアイレス』、最近では『ムーンライト』などがあるが、”10年に1度の傑作”とまでいわしめた『ノーマル・ハート』を知っているだろうか?

 

今回はそんな『ノーマル・ハート』について、詳しく紹介していきたい。

 

忘れてはならない「エイズ危機」を描いた感動巨編

『ノーマル・ハート』は、アメリカで最も有名なLGBT活動家&劇作家のラリー・クレイマーの著書を映画化したもので、1980年代にゲイたちを襲った世界的なエイズ危機を描いている。

 

現代ではHIVにかかっても正しく治療を続ければ死ぬ病気ではないが、HIV/エイズが登場した80年代は、主にゲイたちの間で感染していることから”ゲイのがん”と呼ばれ、社会的な偏見や差別が蔓延していた。

映画では、そんなエイズ危機と戦った人々の愛と葛藤をドラマチックに描いている。

 

 

 

 

製作を手がけたのは、人気TVドラマ『glee/グリー』のライアン・マーフィーで、ブラッド・ピッドが製作総指揮を務めるという超豪華な顔ぶれ。

 

主演はオープンリーゲイ俳優のマット・ボマーで、恋人役としてマーク・ラファロ、脇役としてジュリア・ロバーツらハリウッドを代表する大物が登場し、ゲイ映画としては史上稀に見る豪華キャストが話題になった。

 

そして放送されるやいなやアメリカ中を驚愕の渦に巻き込み、TV界のアカデミー賞「エミー賞 作品賞」、アカデミー賞の前哨戦「ゴールデングローブ賞 助演男優賞(マット・ボマー)」を受賞。

TV映画のためにアカデミー賞への出展はできないものの、国内の主要賞を総ナメにする快挙を成し遂げたのだ。

 

以下予告編。

 

 

 

 

主演のマット・ボマーといえば、海外ドラマ『ホワイトカラー』でイケメン天才詐欺師を演じ人気が爆発。容姿端麗な”イケメンキャラ”だったマットが、本作では役作りで18kg以上も減量し、エイズに苦しむ難役を見事演じ上げた!

 

映画を観てもらうと分かるのだが、その豹変ぶりは圧巻。ゴールデングローブ賞を受賞した迫真の演技をぜひ見てほしい。

 

『ノーマル・ハート』はDVDなどのソフト販売はなく、現在Amazonプライムにて視聴可能だ。

 

原作をてがけたラリー・クレイマーとは?

『ノーマル・ハート』は、LGBT活動家のラリー・クレイマーの著書を映画化したもの。

日本ではあまり知られていないラリー・クレイマーだが、エイズ活動ではレジェンド的な存在だ。

 

エイズは”ゲイのがん”と呼ばれて大流行した80年代後半。パンデミックが起こっているにも関わらず、当時のレーガン大統領はエイズ対策に積極的ではなかった。

 

エイズが蔓延し苦しむゲイたちへ、人々は「不道徳な性行為による自業自得」「同性愛は罪であり神による裁き」などと罵り、ゲイへの差別や偏見は日に日に増していった。

80年代後半で死亡者は年2万人~90年代前半は3.5万人を超えるなど合計10万人近いゲイたちがエイズで亡くなり、恐怖や孤独感から自殺者も増えるなど、ゲイコミュニティ全体がパニックに陥る。

 

 

 

 

そんな中クレイマーは、「ニューヨークのような街でエイズが最大の死亡原因になっているのに政府も社会も何もしていない」と演説を行い、HIV/エイズを社会に訴えかける団体「ACT UP」を立ち上げる。

 

当時は高額だったエイズ治療薬を下げるように製薬会社に抗議したり、国の機関に対してもっとエイズ研究に力を入れるようにと積極的に働きかけを行なった。

 

 

映画『ノーマル・ハート』より

 

彼の働きかけのおかげで、国からも予算が下りることでエイズ治療薬の研究が加速し、治療薬も安価で手に入ることができ、1990年代以降に画期的な治療法(HAART)が誕生し、HIV陽性者の生存率が高まる。

 

クレイマー自身もHIV陽性者ながら、必死で国や製薬会社に働きかけを行い、多くのゲイたちの命を救ったのだ。

その功績が称えられ、米ゲイ雑誌『OUT』ではレジェンドとして表紙を飾っている。

 

 

ラリー・クレイマー|Photo via : OUT

 

『ノーマル・ハート』は、そんな自身の経験を元に描かれた舞台作品で、1985年にオフブロードウェイで初演。リバイバルを重ね、2011年にはブロードウェイでデビューし、ミュージカル界のアカデミー賞といわれる「トニー賞 作品賞」を受賞するまでに!

 

貴重な原作本、クラウドファンディングで限定販売へ

そんなミュージカルも映画も高く評価されている『ノーマル・ハート』の幻の原作本が、初の日本語版として発行されることがわかった。

翻訳を担当するのはオープンリーゲイで著名ジャーナリストの北丸雄二氏だ。

 

原作本は、高級感のある箔押しで2500部限定。

今回、クラウドファンディングを利用した販売方式を取っており、支援をすれば必ず手に入れることができる。(4月26日まで/支援コースは様々)

 

 

原作本『ノーマル・ハート』

 

日本語版として翻訳された原作は今回のみで、今後の発売はなし。クラウドファンディングのみの完全限定商品だ。

 

世界中の人々の心を動かし、涙なしには読めない感動巨編。

ゲイ史上に残る忘れてはいけない史実を、ぜひ貴重なコレクターズ版として手に入れてみてはどうだろうか。

 

 

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