ヌードの中でもタブー視されている「メンズヌード」を、10年以上撮り続けている写真家、レスリー・キー&ライアン・チャン。
そんな二人の初となる合同写真展が、5月13日(土)~6月17日(土)の期間で東京・六本木の「ヒロミヨシイギャラリー」で開催することがわかった。
今回、初の合同写真展を行うレスリー&ライアンに、日本男子の魅力から、2013年のレスリー逮捕騒動に至るまで、ジェンクシーだけの特別インタビューをお届けしたい。
─今回の合同写真展は、レスリー&ライアンともに「日本男子」「メンズヌード」をテーマにしていると聞きました
レスリー:私はこれまで多くの作品を発表していますが、ライフワークとして10年以上「メンズヌード」を撮り続けています。今回は二人とも「日本男子」にフォーカスしていますが、それぞれ異なるコンセプトを掲げています。私の展示テーマは『BOYS PLAY』です。男の子たちのふざけた様子や、ワルさ、無邪気さを写真に収めています。
ライアン:僕の展示テーマは『BOYS STUDY』です。「男の子を知る」という意味で、日本男子の内面やその魅力を写真で引き出しています。
今回、レスリーとは初の合同写真展で、面白いスケジュールになっています。写真展は全部で5週間で、最初の2週間(5/13~5/27)は僕の展示、次の1週間(5/27~6/3)は僕とレスリーの合同展示、その次の2週間(6/3~6/17)はレスリーの展示となっています。
僕のファンも、レスリーのファンも、同じ展示期間内で作品を見ることができるので、今までにない面白い展示方法だと思いますね。
─レスリーとライアンは長くタッグを組んできたと聞いていますが、ライアン個人の写真の特徴とは?
レスリー:ライアンとは10年以上仕事を共にしており、様々なプロジェクトを行なってきました。例えば、YOHJI YAMAMOTO、浜崎あゆみやユーミンのツアー、コマーシャルフォトなどです。
ライアン:僕は日本にきて12年になりますが、WWDなどでファッションフォトを行う一方、「日本男子」をテーマに写真を撮り続け、定期的に写真集を発行しています。今回は10年以上追い続けた作品の集大成ともいえる写真展ですね。
─ライアンの写真の原点とは?
ライアン:2011年に発表した1st.写真集『MAD TOKYO』がスタートです。
当時は日本にきて4年ぐらいで、東京の街をブラブラしていると面白い発見があるんですよね。それをストリートスナップとして写真に収めてきました。
渋谷にいるギャル、ホームレス、男子学生、土方の兄ちゃん、などなど、人ぞれぞれが個性的で、カオスな東京という街がすごく好きです。そこで、「狂気に満ちた東京(MAD TOKYO)」というテーマで写真集を発表しました。
続く、「YOUTH(2011)」や「FITTING INTO TOKYO(2012)」「Peace Disappearance(2014)」「Naked Youth(2014)」「Tokyo Is Yours(2015)」など、一貫して日本の男の子に焦点を当て、写真集を作り続けてきました。
レスリー:私もメンズヌードを撮り続けているけど、ライアンとはテイストが全然違っている。
私はスタジオ撮りがメインだけど、ライアンは基本街撮りでリアリティのある写真が得意。たとえ被写体が同じでも全然違う。そこが面白いですよね。
─今回の写真展のテーマ『BOYS STUDY』について教えてください
ライアン:今回の写真展のテーマ『BOYS STUDY』は、日本にきて10年以上住んでいる中で、日本男子にことを知り、彼らの魅力を写真を通して伝えたいと思っています。
モデルのほとんどは、街で声を掛けた一般人です。
みんなもそうだと思いますが、街でイケメンや美しい人をみたら、その人のヌードを見たくなる。純粋な欲求だと思います。
ですが、通常はその人のヌードを見ることはできないですよね?
本写真展では、街ゆく男たち(ガテン系の人、男子高校生、ストリートにいる男子)たちを写真に撮りおろし、そのヌードを見たいという欲求を、モデルを使ってヌードで表現しています。
必ずしも、ヌード=エロやセックスではないと思っています。
僕にとっては「新しいアイデンティティ」だと思いますね。その人の自然体の形を見たい。純粋な美しさへの追求、欲求です。
もちろん、エロティックさを目指していないわけではないですが、ピュアさとエロさの両方があると最高な写真になります。
僕がヌードを見たときのドキドキ感や興奮、好奇心を、写真を観た人にも共有したい。なかなか他人のヌードを見る機会はないと思うので、それをカメラマンの立場である僕が表現して人々に喚起させたい、そう思っています。
今回の作品は「現実とファンタジー」もテーマに掲げています。
最近は、東京の街×日本男子という組み合わせで撮影することが多いです。東京の街にあるネオンや、駐車場にある黄色のポール、工事現場など、外国人の僕にとって非常に新鮮で、とても刺激的です。
そんな東京の街と日本男子をミックスすることで、「現実とファンタジー」の融合を楽しめる作品になっています。
処女作「MAD TOKYO」と、最新作の「BOYS STUDY」はつながっていますね。
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