突然だが、みんなは最近いつ「HIV検査」を受けただろうか?
半年前?それとも1年前?
もしくは「思い出せないくらい前かも…」という人も多いはず。
みんなどのくらいの頻度で、どこで検査を受けているのか?
今回は人気GOGOのナヲトに話を聞いてみた。
東京ベースに活躍する人気GOGOのナヲト。
HIV検査について聞いてみると、「半年に1回以上」という高頻度だった!
「HIV検査は定期的にするようにしていて、以前は年1回くらいのペースでしたが、今は半年に1回は行きます。最近は郵送検査が便利なので使っていますね」
もともとHIV検査への関心は高い方だが、高頻度になったキッカケはPrEP(プレップ)をはじめたからだという。
「実は最近PrEPをはじめたこともあって、以前よりも検査に行くようになりました。PrEPは海外から個人輸入していて、飲み方はオンデマンドをしています」
ちなみに、周りの友人たちと、検査やHIVについて話したりするだろうか?
「う〜ん…セックスした相手と話すことはあっても、あまり友人とは話さないですかね。ただ最近は、PrEPをしている人が周りにも増えているので、それをキッカケにして、(HIVや性感染症など)話すことは増えました!」
たしかに、最近はゲイたちの間でPrEPが広まっているから、それを入り口にして、HIV検査や性感染症についてカジュアルに話すことができるのかもしれない。
HIVは自分で気づくことができないので、できるだけ定期的に検査に行くことが大事だ。
セックスライフを楽しむ人は、年1回の『性の健康診断』だと思って、定期的に検査に行こう!
今回はナヲトに、新宿にリニューアルオープンした「新宿東口検査・相談室」を体験してもらった。
「新宿東口検査・相談室」は東京都が運営する施設で、匿名・無料でHIV+梅毒の検査をしてくれる。
もともとは新宿南口側にあったが、東口側にリニューアルオープン!
実際に検査の流れを紹介していくよ。
1 まずは受付をして申込用紙を記入。匿名だから名前や住所を記載する必要はなし。
2 こちらが待合室。感染症対策&プライバシーに配慮して、仕切りが設置されているから安心。
3 検査に関する説明をうける。不安なこと・分からないことがあれば遠慮なく聞いてみよう。
4 採血を行う。採血量はわずか5cc(小さじ1杯程度)だ。
5 止血ができたら終了(全部で約30分ほど)。これで一旦終了!検査結果は一週間後にわかる。
6 一週間後、結果を聞きに行こう。ゲイフレンドリーな先生だから相談にも乗ってくれるよ。
HIV検査は、不安なこと、分からないことも多いはず。
そこで、同施設の名物ドクター・城所室長にいろいろ質問してみた。
Q. 予防のために必要なことは何でしょう?
城所:セックスではコンドームを使うことですね。
また、信頼できるパートナーや、感染していないことをお互い確認できる相手とセックスすることも大切です。
Q. ゲイたちの間では「タチは感染しづらい」(=ウケの方が感染しやすい)と言われることがあります。これは本当でしょうか?
城所:HIVは、血液や精液のなかに存在しています。
それが相手の粘膜に触れることで感染リスクが上がります。
ウケの方は、直腸(粘膜)に直接精液を受けることになるのと、あと直腸は傷がつきやすいので、傷や出血したりすると、血液にも触れることになります。その点でいうと、ウケの方がリスクは高いかもしれません。
ただし、タチもペニスと直腸が直接触れるわけなので、感染リスクは十分あります。
タチ・ウケのどちらかが大丈夫ということはなく、どちらも感染リスクがあるので注意が必要です。
Q. HIV以外で気を付けるべき性感染症はありますか?
城所:まず性感染症についてですが、性感染症にかかっていると、粘膜に傷ができるのでHIVへの感染リスクが高まります。
なので、性感染症は気をつけていただきたいですね。
とくに最近は梅毒が増えているので注意が必要です。
梅毒は非常に感染力が強く、コンドーム無しのセックスをした場合、3回に1回は感染するといわれています。
HIVは粘膜に傷があると入ってくるのですが、この梅毒は傷がなくても、粘膜に触れるだけで入ってくるといわれています。キスでも移りますね。
Q. かなり怖いですね…。梅毒になるとどんな症状が出ますか?
城所: 最初の症状は行為から3週間後くらいに、ペニスやアナルなどに出来物ができることがあります。ほとんど痛くもかゆくもないです。
しかも1ヶ月くらいすると自然に消えてしまうんですよね。なので感染に気づかない人も多い。
治ったわけではなくて、3ヶ月くらいすると皮膚に「バラ疹」と呼ばれる発疹ができることがあります。
それを放置しておくと、血流に乗って全身に梅毒が流れていって、脳や目、内臓だったり、さまざまな症状がでます。
薬のない時代だと、鼻が取れたりだとか、最悪命を失うなど非常に怖い病気でした。
でも今は薬があるので治ります。
飲み薬のほかに、最近は1回で治療できる注射タイプもあります。
Q.こちらの検査室では、HIVと一緒に梅毒も検査してくれると聞きました。
城所:そうです。毎回、HIVとセットで梅毒も検査しますね。
梅毒は感染力の高い性感染症なので、定期的に検査を受けてほしいですね。
Q. 最後に読者のゲイたちへ。先生からコメントをお願いします。
城所:こちらの検査室では、HIV関連、PrEP、最近だとサル痘など、さまざまな性感染症にまつわるリーフレットを取りそろえています。
なるべくみなさんに情報提供できればと思っています。
また、HIVの治療はものすごく進歩しているので、もし感染したとしても治療を受ければエイズ発症することはないし、ふだんと変わらない生活ができます。
ですので、まずは自分のカラダの状態を知るためにも、ぜひ定期的に検査を受けにきてほしいですね。
検査体験をしたナヲトに、感想を聞いてみた。
「HIV検査を受ける場所って、どうしても陰鬱な感じがして、入りにくいなぁという場所が多いんですが、新しくできたこちらの施設は明るくて綺麗で入りやすかったです」
「あとはアクセスが良いですよね!仕事帰りや週末に新宿遊びに来たときにもフラッと行けそうです」
そう語ってくれたように、同施設はJR新宿駅から徒歩10分、西武新宿駅から徒歩1分の好立地。
HIVと梅毒の検査が、プライバシーに配慮した「匿名」かつ「無料」で受けることができる。
ふつうのクリニックだとHIV検査だけでも数千円かかるから、何度でも無料で受けられるのは本当にありがたい施設…!
ぜひ、年に1回の『性の健康診断』だと思って、HIV検査に足を運んでみよう。