ベン自身も役と同じくカミングアウトしているオープンリーゲイ俳優ですが、キャスティングの際に意識されたんでしょうか?
よくそう言われるんですが、オファーするまで彼がゲイってことを知らなかったんですよ(笑)
出演が決まった時に事実を知って正直ビックリしました。彼の誠実さ、内に秘めた情熱を感じて選んだので、彼がゲイということは全く関係ありませんでした。それは出演してくれたベンも同じ考えだと思います。
リチャード(ベン・ウィショー)の恋人、カイ役を演じたアンドリュー・レオンも素晴らしい演技でしたね。彼を起用した経緯を教えて下さい。
実は、彼は演劇学校を卒業したばかりで本作がデビュー作なんです。撮影ではかなり緊張していましたが、ベンがサポートしてくれて順調に進んでくれました。彼はとてもハンサムだし演技も素晴らしいし、今後スターになる注目株でしょうね。彼を発掘できたことは嬉しく思います。
リチャードとカイの二人のシーンがとても美しく、愛情溢れる印象を受けました。彼らのシーンを撮る際に気をつけた点などはありますか?
実は、二人のシーンは映画全体の中で3シーンしか描いていないんです。というのも、現在と過去をシームレスに表現しているので、カイを登場させ過ぎてしまうと悲しみが薄れてしまうから。リチャードとジュン、それぞれの深い悲しみ、彼を偲ぶ気持ちを表現する為にシーンは極力減らしました。ただし、二人のシーンが少ない分、繊細で印象的なシーンになるように入念にリハーサルを重ねましたね。
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