2000年代以降もペースをゆるめることないマドンナ。
2005年に発表した『ハング・アップ』では、ピンクのレオタード姿で、47歳とは思えない完璧なプロポーションが話題になった。
MVのスタジオで一人もくもくとダンスをする姿は、ダンサーをしていた下積み時代を再認識し、また街中のあらゆるシーンで踊るダンサーたちを描くことで自分はストリート出身だということを表現している。
この『ハング・アップ』をひっさげた世界ツアー『コンフェッションズ・ツアー』を行ったことで、日本でもマドンナブームが再来した。
完璧な肉体を持つマドンナは、1日最低30分のトレーニングを週6日こなしているそうで、それは35年のキャリアの中でずっと続けているそう。ストイックな肉体美と60歳とは思えない若々しさは努力のたまものなのだ。
あらゆるタブーに切り込むマドンナにとって、重要なテーマは「セックス」だ。
1990年に発表した『ジャスティファイ・マイ・ラブ』のMVでは、見知らぬ男女、ゲイ、ドラァグたちが登場し、フェティッシュ、乱交までを描いた過激な内容に。18禁が絡む内容として、MTV史上はじめてMVが放送禁止になったほど。
しかしマドンナはその手をゆるめることなく、アムバル『エロティカ』の発表、初のヌード写真集『SEX』の発売など、物議をかもす作品を続々とリリース。
それは『ジャスティファイ・マイ・ラブ』から10年以上経ったいまでも健在だ。
『ガール・ゴーン・ワイルド』のMVでは、セックス×ゲイ要素満載に仕上がっている。
タバコを吸うマドンナに群がる、はだけたセクシーな男たち。レザーや鎖といったフェティッシュ要素をふんだんに取り込んでおり、ヌード写真集『SEX』のオマージュとなっている。
また、男だけのハイヒールダンサー集団「カザキー」がキレキレのダンスを踊るシーンもゲイ心をくすぐる。
マドンナの魅力は歌唱力のみではなく、時代をとらえた音楽性、ファッション、MV、パフォーマンス、ライブから、社会へのメッセージ性、タブーへの挑戦、絶やさないゴシップなどなど、その総合的なエンタメ性が高く評価されている。
2015年に発売した『リビング・フォー・ラブ』では、『ハング・アップ』から10年経った57歳とは思えないパフォーマンスを披露。
MVでの、雄牛たちをねじふせる女装様ぶりはしびれるほどクール。
また、アルバム発売後にブリットアワードで見せたパフォーマンスで、序盤に階段から落下するも最後まで歌い切ったプロ根性も賞賛されている。
60歳・還暦を迎えたマドンナ。
しかしながら彼女の活動を見ていると、年齢は単なる記号のように思える。
マドンナの同い歳のスーパースターといえば、マイケル・ジャクソン、プリンスがいたが、唯一残ったのがマドンナだ。(おそらくこの調子だと100歳まで生きるのでは??)
決して守りに入らず、いくつになっても常に攻める姿勢をつらぬくマドンナ。
これからも圧倒的クイーンとして、ゲイアイコンとして我々を魅了しつづけるだろう。