いまだに同性愛が違法であるインドにおいて、有名なゲイ王子、マンヴェンドラ・シン王子が、自身の宮殿内にLGBTQ支援のセンターを設立すると発表した。
マンヴェンドラ・シン王子は、インドで最も古い王族のうちの1人。
2006年にゲイであることをカミングアウトし、インドのLGBTQ権利運動を率いるリーダー的存在だ。
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そんな王子は、グジャラート州ラジピプラにある自身の宮殿内に、セクシャリティを理由に迫害されたLGBTQを受け入れるセンターの設立を発表した。
ロイターによれば、宮殿内の約6万平米の敷地を宿泊施設に改装すると同時に、医療施設、英語など外国語を学べる職業訓練施設を設け、センターに駆け込むLGBTQの就業支援を行うとのこと。
王子は、「彼ら(LGBTQ)の居場所はどこにもなく、自分自身をサポートする術もない」とセンターの必要性を語り、「わたしは子供を持つつもりはないし、インドのLGBTQのためにこのスペースをうまく活用したい」と話している。
2017年8月、インドの最高裁はLGBTQの人々が自らの性的指向を表現することを公式に認めた。ただし、同性間の性交渉は依然として違法のまま。
王子はこれまで、ゲイとHIV支援の団体を立ち上げたり、米有名TV番組「オプラウィンフリーショー」への出演や、各国のニュースメディアに積極的に露出し、インドの現状を訴え続けている。
今回のセンター設立で、インドのLGBTQを取り巻く環境が改善することを願うばかりだ。