総計ではなく、"毎年"ですよ。
アメリカで11月2日に公開されたばかりの映画『Boy Erased(ボーイ・イレイズド|原題)』が、早くも大きな話題になっている。
ニコール・キッドマン、ラッセル・クロウなど、大御所ハリウッド俳優が出演する同作は、ゲイの矯正治療をテーマにした映画。
アメリカでは、毎年7,7000人もの人々が「ゲイを”治療”するため」に、矯正施設に送り込まれる。
矯正施設とは、その名のとおり、性的指向を無理やり変えるために、施設に送ったり、セラピーに通わせて”ゲイを治す”目的で行われるもの。
熱心なキリスト教徒の親が、ゲイと分かった子供に対して行うことが多いそうだ。
ゲイは変えることができない性的指向なのに、無理やりストレートに”戻そう”という、科学的根拠もない無茶苦茶な治療がいまだに行われている。そう、2018年の今でも。
『Boy Erased(原題)』はゲイ矯正治療の闇を描いた作品であり、原作となった同名小説の著者の実体験を基に作られている。
ストーリーはこう。
牧師の家庭で生まれ育った主人公・ジャレッドは、あるときから男性に魅力を感じる自分がいることに気づき始め、ついに両親へ告白することを決意。
熱心なキリスト教信者である両親は、息子がゲイであるという事実を受け入れられるはずがなく、ゲイの矯正施設にいれ、治療を受けさせるのだった──。
以下、米国版予告編。
主人公ジャレッドは、これまで信じてきた神の信仰と、同性が好きという抑えきれない自身の気持ちに板ばさみされ苦しむ。
同性婚が合法化されたアメリカで、今もなお理不尽な行為が行われている。これは深刻な社会問題として声をあげるべき意義深い作品だ。
本作は11月2日よりアメリカで公開され、ゲイコミュニティを中心に高い評価を得ている。現在、日本公開は未定。