映画を通して「HIV/エイズ」について考えよう
毎年12月1日は「世界エイズデー」。
ゲイたちにとってHIV/エイズはとても身近な問題だよね。
そんな世界エイズデーの期間中にぜひとも観て欲しい「エイズをテーマにした映画」を3本セレクト。
以前紹介したエイズ映画とは異なり、今回は2018年の最新版をお届け!
現在公開中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』。
伝説的ロックバンド「クイーン」の元ボーカリスト、フレディ・マーキュリーを描いた伝記映画で、クイーンの数々の名曲とともに振り返るミュージカルテイストがウケており、現在大ヒットを記録中。
当時人気絶頂のクイーンだったが、フレディは1987年にエイズと診断され、1991年にこの世を去っている。映画ではエイズと診断されてから最後のパフォーマンスに至るまで、魂の震えるシーンの連続に涙腺が崩壊する。
ちなみにエイズで亡くなったフレディだが、実はパートナー、ジム・ハットンもHIVと診断されつつも20年以上も生き延びている。この事実についてはこちらの記事を参照。
「エイズ関連の映画は重くて観るのはちょっと…」という人こそぜひ観て欲しい、エイズの悲劇を学びつつ、笑いあり涙あり最高のエンタメ作品だ。
『ボヘミアン・ラプソディ』は、11月9日より全国劇場で絶賛公開中。
カンヌ国際映画祭で、見事グランプリを受賞したLGBT映画『BPM ビート・パー・ミニット』。LGBT映画部門賞のクィアパルムを含む4つの賞に輝く快挙を成し遂げている。
本作は、90年代初頭の「エイズ危機」を描いた、ドキュメンタリータッチの映画。
舞台は90年はじめのパリ。ゲイたちはエイズの感染により差別や不当な扱いに抗議するため、実在の団体「ACT UP」を結成。政府や製薬会社を相手に戦いを挑むのだった。
社会派要素の強い映画だが、登場する人物たちの日常から、友人、恋人関係を等身大に描いており、当時の空気感を再現した生き生きとしたヒューマンドラマ。また全体を通してクラブサウンドが響き、それが鼓動と連動して表現されており、とても力強くエモーショナルな作品だ。
今では忘れつつあるエイズ危機を、現代人のために語り継ごうとする意思を感じる意義深い作品。現在はAmazonプライムビデオにて配信中なので、まだの人はぜひともチェック。
エイズ映画として編集部イチオシなのが『ノーマル・ハート』だ。
本作は、LGBT活動家&劇作家ラリー・クレイマーの著書をTV映画化したもので、1980年代のエイズ危機をテーマに描いている。
監督は、あの『glee/グリー』のライアン・マーフィーで、製作総指揮にブラット・ピッド、キャストにマット・ボマー、マーク・ラファロ、ジュリア・ロバーツといった超々豪華なキャスト&製作陣で話題をさらった!
また、マット・ボマー、ライアン・マーフィーを筆頭に合計4人がゲイを公表しているオープンリーゲイであり、実際のゲイの製作陣が作り出すリアリティある内容となっている。
そして主演のマット・ボマーは、エイズ患者を演じるために体重を18kg以上も減量!!見事ゴールデングローブ賞で初受賞の快挙を成し遂げたのだ。
本作はアメリカで公開されたのみで、日本では劇場公開はおろかDVD販売もはなかった幻の作品。しかし今年からAmazonプライムビデオに追加されたので、ネット配信で常時観れるようになったのだ!
2人のゲイカップルの愛を描きながら、エイズの魔の手が襲いかかるヒューマンドラマは、涙が枯れるまで泣きまくること必至。ぜひご覧あれ!