2人目は、愛知県に住む25歳のユウトさん(仮名)。
パートナーとの交際歴は6年、オープンリレーションシップ歴は2年半だ。
10代後半から交際をしているユウトさんと彼氏さん。
2人にはかなりの年齢差があり、お互いの性欲レベルの違いからオープンリレーションシップに至ったという。
「自分は若くてヤりたい盛りなのですが、相手とはかなり年齢差があり、付き合って2年ほどでセックスレスになりました」
「僕はいろんなセックスをしたい派なんですが、彼氏は性に淡白。それでも、セックス場所を変えたり着るものを変えたりと、それなりに色々試してきましたがダメでしたね」
このまま交際を続けるのは難しいと判断したユウトさんは、オープンリレーションシップを提案した。
「彼に提案した時はすこし寂しそうでした。色々試してダメだったので、相手もいずれこういう提案することは薄々感じていたんじゃないかなと」
自身の考えをハッキリと話す、快活な印象のユウトさん。
そんな彼でさえ、オープンリレーションシップの提案には時間がかかった。
「もともと2人で性について話すことは多かったですが、それでもオープンリレーションシップは言いづらい。最初は言えずに悩んでいましたけど、そのことを話し合えないと2人の関係はダメだと思ったんですよね」
オープンリレーションシップをするにあたり、何か参考にしたことはあるのだろうか?
「日本ではオープンしているカップルが少ないので、海外のゲイのYouTuberの意見を参考にしましたね。ただしカップルによって状況も違うので、人や媒体の意見を丸呑みしても上手くいかないと思っていて、あくまでも参考程度にしました」
オープンリレーションシップでは、以下4つのルールを設定しているそうだ。
・必ずセーファーセックス
・性欲解消のためだけ(他の目的で会わない)
・家には連れ込まない
・セックスしたことを報告し合わない
ちなみに、オープンリレーションシップ後に彼氏とのセックスは再開したそうだ。
「数は少ないですけど、1・2ヶ月に数回程度は彼氏とセックスもしていますね。オープンをする前と比べて明らかに回数は増えました」
「前は、セックスをしていない期間があると性欲が抑えられずモヤモヤしていましたが、今は(他の人と)セックスできるのことが心の余裕になっています。結果としてリラックスした付き合いができるようになったのかなと」
日本では、オープンリレーションシップに興味があっても、なかなか相手に言い出しづらくて悩める人もいる。そんな人にユウトさんからのアドバイスとして「言える親密な関係を作る」ことが大事だと話す。
「知人のゲイカップルで、片方が浮気三昧でもう片方はそれを我慢していて、結局別れてしまったんです。どちらかが我慢している状態は健全ではない」
「オープンリレーションシップは、相手とよく話し合うに尽きるかなと。自分の要望だけ、または相手の言い分だけを聞くのではなく、自分たち2人にとって何がベストなのか、しっかり話し合うことですかね」
ルールについても、最初からキッチリ決めるスタイルではなく年月をかけて徐々に決めていったという。
「最初のルールは、『家に呼ぶのはやめよう』くらいでした。あとは回を重ねてルールを追加していきました。オープン後でもふつうの会話の中で『オープンしてから3ヶ月経つけど、最近はどう?』など、相手の心境をちゃんと聞くようにしています」
交際している相手がいながら、他人とセックスをする──世間ではオープンリレーションシップを「不道徳な行為」だと非難する人もいる。
話を聞いていると、ユウトさんは「愛情」と「性欲」を明確に分けている。
「僕がオープンリレーションシップを提案したのは単なる性欲解消の目的。人によって食が細い人と太い人がいるのと同じで、性欲のキャパも人それぞれだと思うんです」
「最近よく思うのは、ゲイカップルは結婚がないので、付き合ってから次のステップがない。だからこそ長い交際を続けていくために、『オープンな関係も選択肢のひとつ』としてアリなのではないかと。その選択肢があることを、みんなが知ってくれたら嬉しいです」
終始「相手とよく話し合う」を挙げていたユウトさん。
性だけでなく、普段からさまざまなトピックについて話し合う信頼関係あってこそのオープンリレーションシップなのかもしれない。