世界最大のゲイ出会い系アプリ「グラインダー(Grindr)」の現オーナー、スコット・チェン氏が、「結婚は男女のもの」なる発言をし、ゲイコミュニティから非難を浴びている。
アメリカで誕生したグラインダーは、2017年に中国企業「Kunlun Tech」に買収されており、現在はスコット・チェン氏が代表をつとめている。
ことの発端は、先日の台湾同性婚の国民投票の際に、アンチ派にHTC会長が寄付した件を非難したことにはじまる。自身のフェイスブックでこう投稿をした。
「ある人は、結婚とは男性と女性の聖なるものだと考えています。それは私も同じです。ある人は、結婚の目的とは自分のDNAで子供を産み育てることだと考えています」
「つまり、あなたの意見は他の人と同じではなく、結婚にはそれぞれが望む理由があります」
「結婚することは個人的なことです。リッチな人々は、飢餓に苦しむ人々、戦争や災害に寄付していません。なぜ、お互い愛する人々が結婚できないようにお金を使うのですか?それは人生において最も重要なことですか?」
「そうです、私はHTC製品を購入するつもりは一生ないし、台湾のキリスト教団体に寄付することも一生ありません!」
ここで話している「HTC」は台湾の大手電機メーカーのことで、先日の台湾同性婚の国民投票の際、HTCの創業者が反同性婚グループ(キリスト教団体)に多額の寄付をしていた。チェン氏はそれを非難する形で発言している。
本人としてはアンチ同性婚に対して非難したつもりだが、注目すべきは前半部分の「結婚とは男性と女性の聖なるもの。それは私も同じです」と語ったところ。思わず本音が漏れている。
これに対し、海外のゲイメディアは一斉に報道。
米ゲイメディアのOUTは、「みんなは今すぐスクラフ(グラインダーに次いでシェアのあるゲイ出会い系アプリ)に移った方がいいかもね」と皮肉っている。
非難をうけたチェン氏は、弁解するようにこう投稿した。
「私が”結婚は男女のための聖なるもの”と言った理由は、それが私の個人的経験に基づくものだからです」続けて、「私は愛する女性と結婚しているストレート男性です。結婚によって愛する2人の娘がいます。これが私の結婚についてどのように感じるかです」
「さまざまな人々が自身の結婚について異なる意見を持っています。なので、あなた方は私の結婚観について否定することはできません」
「私は若い頃からLGBTQ+をサポートしてきました。Grindrのために働けることを誇りに思っています」
チェン氏の中で結婚はあくまでも「男女のもの」と考えており、同性同士の結婚については理解していないようだ。
世界最大のゲイ出会い系アプリ「グラインダー」と、最近ではLGBTQの権利向上を訴えるべく立ち上げたゲイメディア「INTO」を運営しているオーナーの発言にはいささか思えない。
問題になったチェン氏のフェイスブック投稿は現在削除されている。