同性愛者の知人が身近に一人でもいるだけで、その人の同性婚に対する支持率が急上昇することが最新の研究で明らかになった。
これは米ペンシルベニア大学の研究によるもので、2006年、2008年、2010年と調査を実施。年によってバラつきはあるものの、2006年時点では2000人の回答が得られた。
調査結果によれば、ゲイ&レズビアンの知人が一人でもいるストレート男女は、知人がいない人たちに比べて、同性婚に賛成する割合が大幅に上がっている。
同性婚の支持率は以下の通り。
■2006年
知人なし 22%|知人あり 45%
■2010年
知人なし 18%|知人あり 61%
上記のように、2006年は約2倍。2010年は3倍も違う!
1人でも同性愛者の知人がいるだけで明らかな違いだ。
この「同性愛者の知人」の定義は、顔見知り程度~友達~家族まで幅広い層を含んでいる。
研究を手掛けたダニエル・デラポスタ助教授によれば、例えばゲイやレズビアンに接点のない人であれば街中で同性愛者をみかけても、ネガティブでステレオタイプを強化するような特徴にばかり目がいくそう。
逆に、1人でも顔も名前も知っている知人にゲイ&レズビアンがいれば、その人を”個人”として扱う必要がでてくるため、その人が持つ内なる偏見を見直さざるを得なくなる。それによりLGBTへの理解、同性婚への理解が大きく向上するという研究結果だ。
デラポスタ氏は、当事者に接触することで生まれるポジティブな効果を「接触効果」と呼んでいる。
「ゲイ&レズビアンがカミングアウトすることにより、より多くの人々に接触の機会を与え、LGBTへの理解と同性婚への理解を確実に促している」と、デラポスタ氏は結論づけている。
昨今、著名人のカミングアウトがニュースになるが、カミングアウトは著名人にしか影響力があるわけではない。
今回の研究から分かるとおり、一般人がカミングアウトすることでも、目には見えない小さなコミュニティレベルで、周囲へポジティブな影響を及ぼしていることになる。