LGBTQ支援をテーマに掲げた大型音楽イベント『コカ・コーラ presents LIVE PRIDE~愛をつなぎ、社会を変える。~』が12月6日に東京国際フォーラムで開催され、大盛況のうちに幕を閉じた。
日本初となるLGBTQ支援を掲げた音楽イベントでは、ユーミン、MISIAら国内トップアーティストが華麗なる共演を見せ、会場に押しかけた約5,000人の観客が歓声をあげた。
同イベントは、通常の音楽イベントにはない、一捻りある演出が特徴的だった。
ライブ前半パートは、司会を清水ミチコが務め、LGBTQ当事者から寄せられた手紙の朗読でスタート。その手紙から、関連するLGBTQアーティストへと演奏をつないでいくという演出だ。
最初は、思春期に悩めるゲイ少年の手紙の朗読→オープンリーゲイの歌手・清貴がクワイヤを引き連れ「WE ARE ONE」「虹の向こうへ」の2曲を披露。
続いて、トランスジェンダーの苦悩をつづった手紙→トランス女性の中村 中が登場。ヒット曲「友達の詩」から「不良少年」で圧巻のパフォーマンスを見せた。
そして、ロサンゼルスでプライドパレードを見て感動したという手紙→「八方不美人」「星屑スキャット」と、ドラァグクイーントリオによるパフォーマンスが続く。
通常の音楽ライブとは異なり、”社会を変える”をコンセプトにした本イベントらしい、メッセージ性のある演出が光った。
そして後半パートには、清水ミチコが得意のモノマネ芸で会場を沸かせたのち、お待ちかねのユーミンが登場!
「守ってあげたい」「やさしさに包まれたなら」「春よ、来い」の3曲を熱唱し、観客は総立ちで熱狂した。
そしてユーミンの後はMISIAが登場!
清貴作曲の「あなたにスマイル :)」では、バックコーラスとして、ゲイ男性で構成された数十人のレインボークワイヤが、HIV啓発キャンペーンの「U=U」のTシャツを着て大合唱!
さらにはゲイ男性によるビッグバンドも加わり、MISIAの歌声とゲイたちのパワーが一丸となったメッセージ性の高いステージとなった。
そしてアンコールでは、出演アーティスト総出で、「DESTINY」「告白」を大合唱。
ライブ終了かと思われたアンコール最後、舞台袖からなんとユーミンがMISIAを引き連れる形で再登場!
二人でMISIAの「Everything」、ユーミンの「ANNIVERSARY」をデュエットするという、ファン歓喜のスペシャルな演出も!
ユーミンはライブMCの中で、「私はLGBTQの方々の苦しみや悲しみ孤独は1/100ぐらいしかわかっていないかもしれない。でも、私も40数年以上フロントに立ってきて、その間は彗星がビュンビュン通り過ぎるような、誰にも理解されない孤独を感じている。だから、みんなそれぞれに『ユニークな孤独』があると思っている」と語った。
さらには、以前ゲイバーに訪れた体験談、台湾で同性婚が認められたことにも言及するなど、終始LGBTQをサポートするメッセージを届けた。
ライブ最後、ユーミンとMISIAは肩を抱き合い「本当に良い夜だったね…」と二人涙ぐむシーンも。
会場を埋め尽くす5000人の大歓声とともに、日本初となるLGBTQ支援の大型音楽イベントが幕を閉じた。
ライブ後の観客たちからは「本当に素晴らしかった…」「大号泣した」という声が飛び交い、日本のLGBT史に新たな1ページが刻まれた夜となった。
なお、今回のライブ収益は、LGBTQの若者のサポートを目指す「プライドハウス東京」の活動に活用される。