「なんでゲイはいい男を見つけるのが難しいの?」
誰しもが思ったことのある疑問に、英在住のコラムニスト、トム・ナイトがGay Timesでコラムを綴った。
***
誰もが恋人を探しているこの世界で、なぜ多くのゲイはいい男を恋愛相手として見つけるのが難しいのだろうか。
LGBTコミュニティの人たちが付き合える可能性が低いことは、母数からして明らかだが、「ゲイは付き合うことができない」とか「一対一のモノガミーな恋愛は終わりだ」などという記事を読むのは、飽きてしまった。
デートの仕方、人との出会い方、人間関係の構築の仕方は、常に変わっているが、僕たちはそのことについて忘れがちかもしれない。恋愛やセックス、セクシュアリティは、常に変化を続けている。もちろん、自分が求めるものを、変化に伴って変えなければいけないということではない。どんな恋愛をしたいかは、個人の自由だ。モノガミーな恋愛だろうが、オープンリレーションシップだろうが、結局は「正直であること」が恋愛の鍵だ。
今僕たちは、ゲイアプリを開けば数百人の男と、瞬く間に繋がることができる。気づいていない人が多いかもしれないが、もしかしたら、その選択肢の多さが、恋愛相手を見つけることの難しさの原因かもしれない。
というのも、僕たちは恋愛相手を見つける準備が出来過ぎているのかもしれない。手に取った商品が、チェックリストに載っていなかったら、スーパーの棚に戻してしまう買い物のように。僕たちは、チェックリストをいつの間にか握りしめて、リストに当てはまらない人たちをかき分けて、いるはずのない人を探し求めているのではないだろうか。
長いチェックリストを持っている人は、自身の出会いのチャンスを下げるだけでなく、デート相手の幻想も作ってしまう。もちろん、相手に求める資質や性格、タイプなどを決めることは悪くないが、頭の中で理想のデート相手を作り上げてしまうと、付き合える可能性のある男たちまで恐れをなして逃げてしまいかねないだろう。
正直、「いい男がいない」なんて考えは今すぐヤメるべきだ。だって、よく見ればいい男はたくさんいるんだから。その男たちに目を向け、チャンスをあげるべきだ。
そして、ゲイアプリを客観的に見て、自分に正直になろう。ヤリ目なら「ヤリ目」とプロフィールに書けばいい。デートしたいなら、「デート」。当たり前だけど、一言返信や性的な質問だけをしていたら、出会いの確率はグンと下がる。
僕は昨年の夏から、デートとセックスを休憩している。
ゲイアプリでの同じ会話、恋愛に対するいつもの不安にうんざりしたんだ。このデトックス期間は、心を穏やかにするのにすごく役立っているよ。
結論を言えば、みんな、誰しもが幸せを探しているんだと思う。
でも、幸せのカタチは、それぞれ違う。もし自分が何を求めているか分からなくなってしまったら、その場から飛び出してみるといいだろう。誰かの幸せと比べていてはダメだ。