「GLAADメディア賞」でおなじみのLGBT団体GLAAD(中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)とハリス世論調査がアメリカ在住の18歳以上の2000人の成人を対象にアイデンティティを問う調査を共同で行い、「Accelerating Acceptance 2017」と題したレポートでその調査結果を発表した。
調査結果によると、18歳から34歳の回答者のうち、「LGBTQである」と答えた回答者は20%に上った。一方で、年齢層が上昇するに連れて、「LGBTQである」と自認する人の割合は減少していった。
18歳から34歳の回答者の12%が、「心の性と体の性が一致しない」トランスジェンダー、もしくは「ジェンダー・ステレオタイプや「男らしさ」や「女らしさ」に当てはまらない」ジェンダー・ノンコンフォーミングである」と答えた。なお、「トランスジェンダーもしくはジェンダー・ノンコンフォーミングである」と答える52歳以上の回答者は、3%のみに留まった。
LGBTQと自認する人たちの年齢別による結果
合計:12%
18-34歳:20%
35-51歳:12%
52-71歳:7%
72歳以上:5%
性的指向とジェンダー・アイデンティティの年齢別による結果(上の表の内訳)
18-34歳:8%・4%・8%
35-51歳:6%・4%・2%
52-71歳:4%・1%・2%
72歳以上:2%・2%・1%
調査では、LGBTQではない63%の18歳から34歳が自身をアライと自認していることからわかるように、若者のアライの割合が高いことが分かった。一方で、72歳以上のLGBTQではない人々のアライ率は39%となった。
LGBTQではない人たちの年齢別による結果
アライ:
18-34歳:63%
35-51歳:53%
52-71歳:51%
72歳以上:39%
どちらでもない:
18-34歳:23%
35-51歳:36%
52-71歳:33%
72歳以上:45%
反対者:
18-34歳:14%
35-51歳:11%
52-71歳:16%
72歳以上:16%
GLAADの代表者サラ・ケイト・エリスは調査について「若者が大きな理解と受容を示しており、将来に期待ができる。アメリカ政府は、近年LGBTQコミュニティが勝ち取ってきた前進を打ち消そうとしている。しかし、今回の結果を見る限りでは、確かに法律は書き換えられてしまう可能性があるが、我々の心は簡単には書き換えられなさそうだ」と強く語った。
今年1月に発表されたギャロップの調査では、2016年において、7.3%のアメリカ人の若者が自身をLGBTだと自認していたことが明らかとなった。2012年の5.8%から上昇する結果となった。
ギャロップの調査結果は、GLAADの調査結果よりもLGBTと自認する若者の割合が低いが、どちらの調査においても、若者がヘテロセクシュアルやシスジェンダー以外の自認に対して寛容的になっていることが明らかとなっている。
先月発表された、イギリスにおけるセクシュアリティについての調査結果からは、13歳から26歳の若者のうち57%が「自身を完全なストレートとは自認していない」ことが明らかになっている。
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