グラインダーやジャックドなどの出会い系アプリを使ったことがある人ならだれでも、ユーザーとのやり取りで不快な思いをした経験があるのではないだろうか。
これらの出会い系アプリは、人種差別や同性愛嫌悪、ボディシェイミング(自身の体型を周囲と比較して恥ずかしいと思うこと)を助長していると言われている。
この状況を懸念した出会い系アプリ大手「ジャックド」は、『#ChangeTheGame(状況を変えよう)』と銘打ち、より健全なやりとりがアプリ上で行われるよう、Tシャツとタンクトップのシリーズを発表した。衣服の売り上げは、LGBTQの若者の危機介入や自殺防止に取り組むトレバー・プロジェクトに寄付される。
ジャックドのマーケティング・ディレクターであるケヴィン・ルトゥルノー氏は、キャンペーンについて以下のように述べている。
「ゲイの人たちは、ストレート男性に比べ摂食障害にかかる可能性が3倍、うつ病や不安症にかかる可能性が2倍、自殺率が2倍高い。言葉は使い方によって様々な結果を生む。だから我々は、「Marek+Richard」の”No Fats No Fems(太っている人も女っぽい人も興味なし)”という人を傷つけかねない衣服のシリーズを目にした時がっかりしたんだ」
「ジャックドという、もっとも若くて多様性に富んだ、世界中のゲイから形成されるコミュニティとして、人々が安心して関わり合える環境づくりと我々の世代における排他的な言葉の排除に責任を感じている」
「我々の#NoBulliesNoBigots(いじめっ子も偏見を持つ人も興味なし)という衣服の売り上げは、LGBTQの若者の自殺防止に取り組むトレバー・プロジェクトに寄付されるよ。商品購入金額と同じ金額を上乗せしてトレバー・プロジェクトに寄付するんだ。」
「我々の違いを尊重するために、個々の特徴を享受するために、ぜひ我々のキャンペーンを支援してほしい。一緒にジャックドやゲイコミュニティにはびこる課題を解決しよう。」
ルトゥルノー氏が、言及しているMarek+RichardのTシャツとはこれのこと。
この”皮肉”Tシャツが発表されるとすぐに、多くの人々は衣服について嫌悪感を示した。すると同ブランドは”ゲイアプリにはびこる問題をいかに気にかけているか”という声明とともに、もともと起用していたイカツイ男性ではなく別のモデルを起用したピンク色のタンクトップを発表した。
はっきり言って、ジャックドはMarek+Richard以上にこの問題を気にかけているようだ。ゲイアプリが抱える問題を解決するためには、ゲイやバイの男性が協力して互いに失礼な態度をとることやアプリを「セックス配達サービス」のように使うことをやめ、プロフィール写真の裏には実際の人がいるということに気づく必要がありありそうだ。