欧米のゲイの間で流行っているHIV予防法「PrEP(プレップ)」。
毎日1錠飲むことでHIVを99%近く予防できるものだが、もしかしたら毎日服用ではなく、月に1回や年に数回で効果が持続するかもしれない。
米LGBTメディア「ワシントン・ブレイド」によると、一回で長期間効くPrEPが登場すると科学者が語っているそうだ。
現在のPrEPは、ツルバダと呼ばれる薬を毎日一錠飲むことで、体内に抗体を作りHIVウイルスから守ってくれるというもの。予防効果は99%近くあることが数々の研究で分かっており画期的な予防法ではあるが、毎日服用するという手間があった。
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噂されている新PrEPは、錠剤ではなく4つの薬を打つ注射タイプだそう。
方法は、スタート時は数週間ごとに注射を打ち、その次に2ヶ月ごと、そして4~6ヶ月ごとに打つ。徐々に効果が長期間持続するというものだ。
この新しい注射によるPrEPは、米国立アレルギー感染症研究所の免疫学者、アンソニー・ファウチ氏も期待を寄せている。
PrEPは毎日服用することで効果を発揮するが、ファウチ氏は毎日薬を飲み続けることによる「薬疲れ」が存在すると話す。
この薬疲れとは、毎日薬を飲む患者が、一定の錠剤を飲み続けるという単調さとストレスのために、時が経つにつれて薬を飲まなくなる行為のこと。
特にPrEPは、持病があり服用するという薬ではなく、将来的なHIVへのリスク回避のために飲む予防薬のため「薬疲れ」に陥る人が多いのでは?とのことだ。
また、PrEPで毎日服用せずに、セックス前後に飲む「オンデマンドPrEP」をしている人も多いが、ファウチ氏によれば「リスクが高い」と話している。
通常のPrEPとオンデマンドPrEPでは予防率が異なっており、実際、オンデマンドPrEPで数人のHIV感染が報告されている。ちなみに毎日正しく服用した人で感染した例は、これまで報告されていない。
オンデマンドPrEPは医師が認めている方法ではあるが、PrEPを使用する人はできる限り毎日飲むPrEPの方が予防効果が高い。
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通常のPrEPとオンデマンドPrEPよりも手軽な注射タイプのPrEPに、欧米のゲイたちは大きな期待を寄せている。