香港を拠点とする大手航空会社「キャセイパシフィック航空」が、新広告にゲイカップルを起用し話題になっている。
公開された広告では、キャセイのキャッチコピーである「Move Beyond(乗り越えていこう)」のテーマの元、子供からお年寄りまで、様々な人々が目標に向かって挑戦する様子を描いたもの。
映像には映っていないが、キャンペーンポスターにて、ゲイカップルをテーマにした広告が登場してる。
キャッチコピーはおなじみの「Move Beyond」に、レッテル貼りの意味を持つ「Labels」をくっ付けた「Move Beyond Labels(レッテルを超えていこう)」だ。
素晴らしいメッセージと共に、ビーチ沿いを歩く仲睦まじいカップルが描かれている。
香港発の航空会社がゲイカップルを含めた広告を展開するのは珍しく、日本を含めたアジア圏ではほぼ前例がない。
しかし残念なことに、本国では一部から批難されているそう。
本キャンペーンは、香港の空港内を中心に展開されており、キャセイのカウンター付近でしか見られず、地下鉄のMTRや、街中では一切掲載されていないそう。
ゲイカップル以外のバージョンは掲載されているのにも関わらず。
Same #movebeyond pic.twitter.com/ps6zAeXj63
— Danny Lee (@JournoDannyAero) May 8, 2019
その理由について、広告を検閲する機関のJCDecauxによれば、MTR側は「このような広告は不道徳である。一般に認められている公的基準や文化的基準を侵害するもの」「どのような方法であれ、公衆への不快感、恐怖の原因となる」と発言し、広告掲載を見送ったという。
差別的発言をリークされたMTR側は、「そのような事実はなく、我々は多様性をサポートしています」と声明を発表する事態となった。
今回のキャセイが行った広告は素晴らしいが、まだまだ香港&中国本土では、同性愛に対する風当たりが厳しそうだ。
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