日本車でありながら、米レズビアンに絶大なる支持を得ている「スバル(SUBARU)」。
日本だとその人気にあまりピンとこないが、米国ではスバルならぬ『レズバル(Lesbaru)』(レズビアン+スバル)と呼ばれるほどに大人気なのだ。
なぜそこまでレズビアンコミュニティにヒットしたのか?
そんなスバル社のレズビアン向けマーケティング戦略を解説した米メディアPriceonomicsから紹介したい。
スバル社では、90年代に売上げが低迷し、ニッチな市場を狙おうと考える。
スバルの四駆はアウトドア好きの間では人気だったことから、「アウトドア好きのレズビアンにウケるのでは?」と狙ったのが「レズビアン市場」だったのだ。
また、スバルの社名『昴』は、日本では「六連星」の意味だが、英語圏ではプレアデス星団(別名:SEVEN SISTERS)となる。
この「SEVEN SISTERS(セブン・シスターズ)」は、アメリカの名門七女子大学という意味が含まれており、米レズビアン達に響くワードだったのだ。
スバルのレズビアン向け広告の歴史
1990年代当時、ゲイ&レズビアン向けに広告を打つ企業は主にファッション業界とアルコール業界のみだった。
1994年にイケアがゲイカップルを起用したCMを打ち出したが、一部ボイコットが起き、ホモフォビアが「店に爆弾を仕掛けた(実際は無かったが)」という騒ぎになったほど、ゲイ&レズビアン向けに広告を打つ企業は極めて少なかった。
そんな中、スバルは1996年に初めてレズビアン広告を打つ。しかし当初は不評だったそう。
大々的にレズビアンを打ち出した広告よりも、さりげない広告の方がウケることに気づきシフト。例えば、当時レズビアンに人気だったTVドラマ『ジーナ』の主人公ジーナ(Xena)の名前を、ナンバープレートにさりげなく取り入れるなど工夫を凝らした。
広告エージェンシーのジョン・ナッシュ氏は「我々は年を追うごとに訴求相手であるレズビアン達に対してどんどん学んでいきました」と語り、どうすれば彼女達にウケる広告となるか?を突き詰めたそう。
そして2000年に、オープンリーレズビアンで世界的テニス選手マルチナ・ナブラチロワを起用したCMを打ち出し好評を博す。
このナブラチロワの起用で、スバルのレズビアン人気は不動のものとなった。
次ページ >> 広告だけじゃない!スバル社内でも同性愛者社員への福利厚生を導入
次のページ|2ページ目