LGBT映画祭(レインボー・リール東京)にてグランプリを受賞したLGBT映画『カランコエの花』が、2018年7月14日より7日間限定で新宿「K’s cinema」にて公開することがわかった。
LGBTをテーマにした映画だが、特徴的なのは、LGBT当事者ではなく”その周囲の人々”にフォーカスした作品ということだ。
主人公がゲイ/レズビアンの映画は、恋愛からヒューマンドラマまで国内外で多く発表されているが、それらを取り巻く周囲の人々にフォーカスを当てた作品はほとんどなかった。
物語の舞台は、田舎にある高校2年生のクラス。
ある日唐突に『LGBTについて』の授業が行われた。しかし他のクラスではその授業は行われておらず、生徒たちに疑念が生じる。
その中、いたずらっ子が「うちのクラスにLGBTの人がいるから授業したんじゃないか?」と発言し、LGBT探しが始まるというストーリーだ。
リアリティ溢れる展開と同時に、ストレートたちがどういう風にLGBTに配慮すべきか、無意識の差別についても表現されている。
以下、予告編。
本作の中川監督は、LGBTの認知が高まりつつあるものの、社会的の未成熟さの問題を指摘。こうコメントしている。
「彼ら(LGBTたち)を受け止める社会がまだ未成熟であることも事実なのではないでしょうか。カミングアウトにどう応えればいいのか分からず必要以上に気を使う。それがかえって当事者に被差別意識を与えているとも知らずに。そんな社会の実情にフォーカスしたのが本作品『カランコエの花』です。この作品が、当事者との付き合い方や社会のあり方について 考えるきっかけになれば幸いです」
前編39分という短い映画ながら、強いメッセージ性を感じる作品。
1週間限定上映とあって、ぜひとも映画館へ足を運んでみてほしい。