昨年(2022年)のHIV新規感染者数が、過去20年で最少というがわかった!
厚生労働省が8月に発表した内容によるば、HIV新規感染者数は884人と、過去20年で最少に。
これは6年連続の減少で、1,000人を下回ったのは2003年以来の20年ぶりとなった。
内訳は、HIV感染者が632人、エイズ発症が252人。
感染経路は、同性間の性的接触が最多(570人)となり、続いて異性間の性的接触(153人)に。年代別では、30代が307人と最多を記録した。
HIV感染者はゲイ・バイ男性がほとんどなので、感染者が減っていることはとても喜ばしいこと。
では、なぜ減っているのだろうか?
1つめの理由は、コロナ禍によってHIV検査に行く人が減少した可能性が高いということ。
現在、検査数は回復しつつあるが、依然としてコロナ前の検査数に届いていない。検査数が少ないため、実際よりも少なめに発表されている可能性がある。
HIV検査はゲイ・バイは必須なので、年1回ほどの定期的に検査を受けてほしい。
そして2つめの理由は「PrEP」が普及しつつあること。
PrEP(プレップ)とは、新しいHIV予防法のことで、事前に薬を飲むことでコンドーム無しでもほぼ100%HIV感染を防ぐことができる。
HIV減少とPrEPの関係について、国内でHIV研究を行う国立国際医療研究センター・センター長の岡慎一医師は「都内の新規感染は大きく減少しており、PrEPの効果だと思います」とメディアに語っている。
日本でどのくらいPrEPが広がっているかというと、HIV啓発団体「ぷれいす東京」のPrEP意識調査によれば、PrEP使用経験はゲイ・バイ全体の8.8%と、ここ数年で利用者が4倍に跳ね上がっている!
とはいえ、まだまだ浸透はしていない。
PrEPが広がることで、ロンドン、ロサンゼルス、シドニーといった大都市ではHIV新規感染者が大幅に減っている。今後日本でもPrEP普及によって、さらなるHIV減少が期待できそうだ。