伝説的ロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリー。
91年にエイズで死去した彼だが、フレディが生きていたら73歳だ。
そんなフレディの誕生日(9月5日)に、クイーンのレコード会社ユニーバーサルミュージックが感動的なアニメーション動画を公開した。
85年に発売したフレディのソロアルバムからの一曲「Love Me Like There’s Not Tomorrow(明日なき愛)」のミュージックビデオだ。
フレディがエイズの病に侵されるというストーリーをアニメーションで描いている。まずはMVを見てほしい。
アニメーションを手がけたのは、2017年にゲイ少年を描いた短編アニメ「In A Heartbeat」を手がけたエステバン・ブラーボとベス・デヴィッドのコンビ。
2人は、「フレディのストーリーをみんなに伝えたかった。だけど、明確に語っているわけではありません」と語る。
動画内のキャラクターを2つの”白血球の間のラブストーリー”に例えており、1つはHIVウイルスに侵されるも、最後は病気に打ち勝つ様子を描いている。
フレディはエイズで死去したが、この内容はハッピーエンドで描かれている。なぜなのだろうか?
「LGBTQコミュニティは、HIV/エイズの治療について長年戦ってきました。その戦いにより数百万人の命が救われてきました。動画ではその勝利を描きたかったのです」
そう語るように、フレディをモチーフにしたキャラクターはHIVウイルスで瀕死状態に陥るが、パートナーの愛で死の淵から生還し、最後は二人そろって年老いていくというハッピーエンドで描かれている。
これは医療の発展により、たとえHIVウイルスに感染していても「正しく治療をすれば死ぬことはない」というメッセージを含めているからだ。
不治の病として恐れられたHIV/エイズを描きつつも、それから30年が経ち、「HIVで死ぬことはない、幸せに生きることができる」という価値観にアップデートされた素晴らしいアニメーションだ。
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