アメリカで最もゲイフレンドリーな都市の一つ「ボストン」に滞在していました、旅ライターのがぅちゃんです。現地の概要やゲイ事情を解説しつつ、料理のクオリティが高いことで有名なゲイフレンドリーレストラン「デラックス・カフェ」を紹介します!
ボストンは、アメリカの東海岸エリアにあるマサチューセッツ州の州都です。周辺の6州をまとめて「ニューイングランド地方」と呼ぶのですが、ボストンはニューイングランド地方全体の首都とも考えられています。(関西の大阪、のような感じです)。
ボストンは、アメリカで最もゲイフレンドリーな都市のひとつです。マサチューセッツ州は国内で最初に同性婚を認めた州なので、その州都であるボストンには、LGBTの文脈にとどまらないリベラルな風土が根付いています。
ボストンのゲイバーはダウンタウンエリアに集中しており、なかでも「サウスエンド/South End」という地域がゲイエリアとしてぼんやり認識されています。しかしながら、東京の新宿2丁目やドイツのベルリンのように、ゲイ娯楽に特化したエリアはありません。
サウスエンドで人気のゲイフレンドリーレストラン*が「デラックス・カフェ/Delux Cafe」です。クリエイティブにアップデートされたアメリカの定番料理が楽しめるお店です。料理に本腰を入れていることから「シェフドリブン/Chef-Driven」*と形容されたりします。
*デラックスカフェは「ゲイフレンドリーレストラン」ですが、実態はゲイバーのレストラン版のような状態となっていますです。ボストンはなにかにつけてリベラルなので、実態としての「ゲイバー」と「ゲイフレンドリーバー」の境界があいまいです。
*「シェフドリブン」を意訳すると「シェフによる、料理のクオリティ重視の」という意味になります。質重視の飲食店だということが伝わってくる表現です。(そういえばデータドリブン経営とか聞いたことが……食のマッキンゼーかッ!/心の声)
料理はアメリカの定番料理をおさえつつ、クリエイティブなツイストが加えられたような内容です。メニューのアイテムはプリント1枚に簡潔にまとめられており、「スペシャル」「スナック」「前菜」「タコス」「サンドイッチ」「メイン」の6項目です。
デラックス・カフェは、ここでしか味わえない小洒落たカクテルやちょっと手の込んだ料理を求める人にはうれしいお店です。 飲食店としての評判が高いため、 ゲイコミュニティに限らず、老若男女の地元の客に愛されています。
オリジナルカクテルにはそれぞれ個性的な名前が付けられており、上は「ピンキー・タスカデロ/Pinky Tuscadero」という名前*です。オリジナルカクテルの値段は12ドル(1,320円)均一で、相場のどまんなかといった価格設定です。(*ピンキー・タスカデロは、1970年代のアメリカのテレビ番組「Happy Days」に登場するキャラクターの名前)
「クラブケーキ/Crab Cake」はカニのハンバーグ(またはお好み焼き)のような食べ物で、アメリカの定番料理です。ボストンのレストランにはほぼ必ずあります。「美味しいお店であればあるほどカニの身が多い」という傾向があるのですが、だとすると、デラックスカフェはかなり美味しいほうです。
ホームメイドのパスタを用いたアラビアータです。パスタはアメリカの飲食店になくてはならない王道メニューですが、アメリカにおける「トマトソースのパスタ」は、日本でいう「ソース焼きそば」くらい定番です。ニンニクが強めだけどもくどくないのでメリハリが効いており、飽きずにずっと食べ続けられる美味しさでした。
「キューバン・サンドイッチ/Cuban Sandwitch」は「キューバのサンドイッチ」という意味で、「クバノ/Cubano」とも呼ばれます。豚肉、チーズ、ピクルス、マスタードの組み合わせが象徴的な、酸味が強めのサンドイッチです。アメリカのサンドイッチとして定番で、日本でいうところの「辛子明太子おにぎり」くらいの存在です。
ボストンにはゲイフレンドリーレストランが複数ありますが、デラックスカフェの料理の質は抜きん出ていると感じます。ごはんたべとしての満足度が高いため、セクシュアリティを問わず地域で万人に愛されていることにもうなずけます。
アップデートされた都会のアメリカ料理を味わいたいゲイたちには、まっさきにおすすめしたいお店です。