2020/02/10

欧州のゲイシーンを牽引するゲイの聖地「ドイツ・ベルリン」ってどんなところ?

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ゲイ専用セックスクラブ〜世界初のゲイミュージアムetc、ヨーロッパのゲイキャピタルと名高いドイツのベルリン。

 

そう語られるバックグラウンドにふれつつ、3年暮らした経験を元に、現地の名物ゲイイベントやゲイスポットを紹介していきます。 

 

ベルリンはなぜ「ゲイの聖地」なのか

住んでいた経験をもとに個人的な感想を述べると、ベルリンは他のヨーロッパの都市と比べて、ゲイの娯楽文化(アングラなハッテン文化も)が、かなり充実している印象。

 

フェティッシュバーの数も多く、アングラなパーティも日常的に開催されているようでした。ゲイエリアには24時間営業のクルージングゲイバー「BULL Berlin」なんていうのも存在します。

 

 

ゲイエリアのセックスショップのディスプレイ。

 

ベルリンのゲイエリアの概要

ベルリンには「シェーネベルク/Schöneberg」というゲイエリアがあるのですが、 この地域の歴史は1920年代に遡り、世界で初めてゲイエリアが定着した地域とも言われています。

おおげさにいえば「世界最古のゲイエリア」とでも言えるでしょうか。当時からヨーロッパを牽引するゲイキャピタルとして目立っていたようです。

 

 

シェーネベルクの中でも人気のフッガー通り。住宅の一階部分が店舗というのが一般的。ゲイ以外の住人も多い。

 

実際には、シェーネベルクの北部にゲイスポットが集中していて、現代では、ここがざっくりゲイエリアという認識になっています。

「Viktoria-Luise-Platz」「Wittenbergplatz」「Nollendorfplatz」の3駅に囲まれた三角形のようになっています。

 

Wittenbergplatz駅とNollendorfplatz駅は、東京でいう新宿御苑前駅と新宿三丁目駅のようなところです。

「Fuggerstraße(フッガー通り)」と「Motzstraße(モツ通り)」も有名で、これらは新宿二丁目の「仲通り」にあたるような通りです。

Nollendorfplatz周辺の文化に関する動画

 

アングラなゲイの娯楽文化がランドマークの一部になっている

 

週末のNollendorfplatz駅でレザー姿のゲイたちの姿を見ることがたまにあるのですが、ベルリン市交通局の地下鉄のCMでは、レザーに身を包んだゲイたちが「ベルリンあるある」の一部として描かれています。

ベルリン市交通局の他の映像作品にも、ゲイの娯楽文化に着目したものが複数あります。

 

 

いっとき話題になった、ベルリン市交通局のCMの一コマ。

 

ベルリン市交通局のアプリ「Jelbi」のCM。パーティ文化に着目している。

 

ベルリン市交通局のキャンペーン映像

レザーに身を包んだゲイ男性たちが地下鉄の乗客にハグしていく。Wittenbergplatz駅で降りていくのもミソ。

 

東京メトロのCMでは(というか他のどの都市でも)こうはならないと思うので、ベルリンならではの現地文化を掬った興味深い映像だと思います。こういった土壌がある中で、有名な名言も存在します。

 

それが、オープンリーゲイの元ベルリン市長、クラウス・ヴォーヴェライトの「Berlin ist arm, aber sexy」という言葉。直訳すると「ベルリンは貧乏だけどセクシー」という意味で、多様な解釈ができる味わいぶかい言葉として、今も愛されています。

 

2001年のクラウス・ヴォーヴェライト。ここで言っている「Ich bin schwul – und das ist auch gut so(I am gay, and that’s a good thing)」の一文もかなり有名。

 

そんなベルリンがなぜ「ゲイの聖地*」なのか、あくまでも個人的な感想ですが、まとめると以下になります。

 

・ゲイ娯楽が多様でニッチなものも目立っている

・そういったゲイ娯楽が都市のアイデンティティになっている

・世界的に有名なゲイイベントが複数ある

 

……ところで、

 

「ゲイの聖地」という言葉についてですが、これに公式な定義があるわけではありません。ただし、「ベルリンはやっぱ違ぇ……」のような意見を持つゲイはヨーロッパでは多いように思います。「聖地みたいな見方がされている」という意味で「ゲイの聖地」としています。

 

余談が長くなってしまいましたが、ではそろそろ、ベルリンで目立っているゲイイベントやゲイスポットを紹介していきます。

 

世界最大級のBDSMフェア「フォルサムヨーロッパ」

フォルサムヨーロッパ(Folsom Europe)は、2003年より毎年シェーネベルクで開催されているBDSMの祭典です。

 

元々は1984年にアメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコで始まった「Folsom Street Fair」というイベントで、それのヨーロッパ版にあたります。

 

ビールやソーセージの屋台などがあり、露店に関してはごく一般的なベルリンの縁日の風景です。とりあえずベンチに座ってビールを飲むというのは、ベルリンの野外フェスの典型的な盛り上がり方です。

 

 

ベルリンの縁日の屋台。

 

ベンチに一列に座ってビールを飲む、まさに縁日の風景。

 

イベント当日は、様々なパフォーマンスや露店が展開しています。いちおうここはゲイエリアですが、この通りにはゲイ以外の人も住んでいる一般住宅街なので、このエリアへの入場料は無料です。  

 

 

交差点はあいまいにたむろできるスペースとなっていて盛り上がる。

 

ロープを使ったbondageの実演。

 

やんわりとバラ鞭でBDSMショーが展開している。

 

Puppyたちと飼い主がたむろするエリア。

 

今でこそフォルサムヨーロッパは有名ですが、ベルリンのレザーイベントとしては3月〜4月のイースター(復活祭)の時期に開催される「Easter in Berlin」も有名です。

創設は1975年と歴史も古く、ヨーロッパ最大級のレザーイベントと言われています。

 

 

出張小便器と潜水夫。フォルサムトーロッパにて。

 

Folsom Europe
2020年は9月11〜15日に開催。
公式サイト

 

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