旅ライターのがぅちゃんです。ゲイ向けでは無いけれど…ゲイたちにおすすめしたいエッジの効いたお店を紹介する連載企画〈GAYめし〉。
今回は、イスラエルの東京「テルアビブ」で最も人気のハンバーガー屋「ビトリーナ・リリ」を紹介します。
イスラエルは中東にある小さな国で、日本の四国ほどの面積に約900万人が暮らしています。国民の約7割が「ユダヤ人」と呼ばれる人々で、世界で最もユダヤ人(ユダヤ教徒含む)が暮らしている国としても知られています。
日本でも有名なユダヤ人としては、超能力者のユリゲラー、フェイスブックのCEOのマークザッカーバーグ、映画監督のスティーブン・スピルバーグなどが挙げられます。ちなみにアメリカのユダヤ人の人口は、イスラエルに次ぐ世界2位です。
イスラエルは東ヨーロッパ出身のユダヤ人によって建国された歴史があるので、現在も環境はヨーロッパのスタンダードに近いです。イスラエルはアジア大陸にある国ですが、人権や娯楽の基準は欧米先進国(アメリカ、ドイツ、etc)に似たものがあります。
イスラエルの食のセンス(というか基本的概念)も、アジアよりは欧米先進国に似ています。「ごはんといえばラーメンやおにぎり」ではなく、「パスタやサンドイッチがふつう」といった感じです。
イスラエル人の食のセンスを、誤解を恐れずに直感で言い切るなら「地中海料理や中東料理に造詣が深いアメリカ人」となります(地中海も中東もアメリカも広すぎて一括りにはできるはずもないのですが)。
イスラエルでは、パスタもハンバーガーもタコスも、本場並みに美味しいものが食べられます。なかでもハンバーガーはかなり人気です。というかそもそも肉が人気です(国民一人当たりの牛肉消費量は世界4位、鶏肉は1位)。
肉食のイスラエルでハンバーガーが人気なのは自然なことと言えるでしょう。「日本の寿司は海外の寿司より頑張っている」という状態に似たものがあると思います。余談ですが、イスラエルではスシが定番ファストフードのような状態になっています。
イスラエル最大かつアジア大陸のレインボープライドの開催地である「テルアビブ/Tel Aviv」は、国内最大の商業都市です。日本でいうところの東京のような街で、「地中海ビーチリゾート」としての側面もあります。
日本の都会でコンビニに出くわすくらいの感覚でハンバーガーに出会す…と言うと言いすぎかもしれませんが、テルアビブのハンバーガーはそれくらい身近なものではあります。ハンバーガー専門店も多いです。
「ハンバーガー激戦区」という言い方をされてもおかしくはないのがテルアビブですが、そんな街で圧倒的に有名なハンバーガ屋が「ビトリーナ・リリ」です。現地でおすすめのハンバーガー屋を聞くと、たいていこの名前があがります。
ちなみに店舗は2つあり、「ビトリーナ」と「ビトリーナ・リリ」があります。どちらも等しく人気で、「ビトリーナ」と呼ばれています。
ヨーロッパのコンテンポラリな都会のカフェのような雰囲気があります。アメリカにあるような、風情のあるダイナーとはまた違った世界観です。でも音楽はアメリカのヒップホップでした。
プリント一枚に英語で簡潔にまとめられており、「ハンバーガー」「ベジタリアン」「サイドディッシュ」といった分類。メニューの最上部に「ベストセラー」とマークされているので、一押しアイテムが迷わず選べます。
「ベストセラー」のところにあった「バトラーチーズバーガー」を注文。肉の焼き加減が選べたので、ミディアムレアにしました。ニンニク、 ピクルス、 オニオンジャム、アルグラ(ルッコラ)、ビネガー、ゴーダチーズ、ブルーチーズ、BBQソースが含まれます。
「一番美味い」とたびたび形容されるのを否定できない美味しさではありました。苦味とか酸味を含むウマミが強めの変態系なフレーバーが好きな人には刺さる気がします。たとえ刺さらなかったとしても、忘れられない味ではあると思います。要するに、美味しいです。
ビトリーナ・リリはテルアビブのダウンタウンにあるので、アクセスに特別な労力はいりません。すぐそばにはメインストリートの「ロスチャイルド通り」があり、このあたりは夜も賑わっています。
老舗ゲイバーの「シュパガット」も近くにあるので、ナイトアウトに申し分ないエリアだと思います。ちなみにテルアビブはLGBT人口の可視化が進んでいるので、あからさまなゲイやレズビアンのカップルがどのお店にいようが、そこまで浮かないです。