旅ライターのがぅちゃんです。
「あのお店すごかった」と、ゲイの友達に教えたくなったお店を紹介する企画が【GAYめし】です。
今回おとずれたのは、同性愛に寛容ではなく、ゲイセックスで懲役10年になりえる地域も存在するパレスチナ。
そんなパレスチナのベツレヘムという町にある、現代パレスチナ料理店「レストラン・ファウダ」に、ゲイ6人で行きました。
パレスチナとは、2023年10月7日にはじまった「イスラエル・ハマス戦争(2023 Israel–Hamas war)」で、イスラエル軍による大規模な攻撃を受けている「ガザ」という地域がある国です。
ガザからすこし離れた場所にある「ヨルダン川西岸地区」にあるベツレヘムは、イエス・キリストの生誕地と言われる「降誕教会(こうたんきょうかい)」があることでも有名です。
余談ですが、パレスチナはLGBTQフレンドリーとは言えない状況の国とされています。2022年には、男性同士のセックスで懲役10年にもなりえるガザより寛容と言われるヨルダン川西岸地区で、ゲイの首を切断するという事件が起こっています。
パレスチナ・ヨルダン側西地区のベツレヘムで、現代パレスチナ料理が味わえる名店が「レストラン・ファウダ」です。「ファウダ」とは「カオス」のような意味で、パレスチナとイスラエルの争いを描いたイスラエルの人気ドラマのタイトルにもなっている有名な言葉です。
レストラン・ファウダは、ベツレヘムにルーツがあるパレスチナ人の有名シェフ「ファディ・カッタン」によって運営されています。ファディ・カッタンが主張する「パレスチナ料理の現代的な解釈(A modern take on Palestinian cuisine)」というコンセプトのもと、「パレスチナ料理をベツレヘムの食材を用いてヨーロッパ(イギリスやフランス)のスタンダードで作った」といえる内容の料理が提供されています。
ファディ・カッタンは料理について、「クリエーションはカオス(ファウダ)から来る」という言葉で表現しています。それと同時に、ファウダという言葉をはじめとするパレスチナの文化が、イスラエル側の解釈で世界に認知されていることにも異を唱えています。「自分(パレスチナ)の手柄が、他人(イスラエル)の手柄として世間(世界)に認知されてしまうフラストレーション」といったパレスチナ人の気持ちの代弁…
…という話も、料理だったので飲み込めました。
レストラン・ファウダは完全予約制です。4品(おつまみ付き)で1人6300円(210シェケル)でした。
来店したときの我々は、ゲイが凝視したらゲイとわかる雰囲気だったように思えなくもないですが、歓迎してもらえました。
レストラン・ファウダはLGBTQフレンドリーを謳っているレストランではないですが、どんな客にもフレンドリーなお店だと思います。
なお、この記事の内容は、イスラエル・ハマス戦争(2023 Israel–Hamas war)が起こる前の出来事です。現在の状況を鑑みると、パレスチナへの旅行を手ばなしで推奨はできません。
海外の安全情報の確認は、外務省の「海外安全ホームページ」が役に立ちます。
関連記事:
ゲイが捕まるパレスチナの「世界一眺めの悪いホテル」で茶をしばく【GAYめし】>>
イスラエルの東京「テルアビブ」で一番美味しいラーメン屋【GAYめし】>>