【GAYミシュラソ】とは、世の中にはびこるけしからん飲食店を覆面調査してシビアに評価する食レポ企画です。(GAYミシュラソはミシュランガイドのパロディです。)
今回は、京都のアメリカ系メキシコ料理屋「ピオピコ」を覆面調査します。(LGBTQ関連のイベント情報が文末にあります。)
「え、ピオピコ? あんま知らんけど、建築家の隈研吾(くまけんご)が監修した商業施設『新風館 ShinPuhKan(しんぷうかん)』に入居してるアメリカの『エースホテル』のアジア1号店『エースホテル京都』の中二階にある、アメリカ系メキシコ料理のお店やろ? 知らんけど。」
と、京都の友達が教えてくれたお店がピオピコです。「めっちゃ知ってるやん。」ってなりました。恐れ多いです。
店内は、とにかく天井が高くて、「アメリカの施設に来たな」と感じました。海外旅行をしている気分でウキウキしてしまい、「パスポート持ってないけど大丈夫かな?」と不安になります。
店内で目立っていたのが、銅でつくられたバーカウンターとDJブース。富山の鋳物メーカー「能作」による作品だそうです。これらを見るまで、自分にとって銅なんて10円の価値しかなかったので、常識がくつがえされてしまって困りました。
入店早々、けしからんお店です。
ふと、ピオピコで感じました。「京都っぽくないのに、京都にしかない。」という、謎のプレミア感。
これについて京都の友人に聞いてみたら、「だから京都がどうとかじゃなくて、アメリカにとって『Kyoto』ってどういう意味? ってことやろ。日本も『NY』とか好きやん、ニューヨーク州のことは知らんけど。」という答えが返ってきました。
それを聞いて、「うわ、ガチの『知らんけど。』でた。そしてめっちゃ上からやん怖。」となりました。批評精神の塊すぎて、かわりにGAYミシュラソをやってほしいくらいです。
京都の友人はさておき、ピオピコの批評をしたいです。
まず、メニューのグラフィックデザインがかっこよかったです。同席していた大阪の友達が止めてくれなければ、メニューで折り紙など作って粗相をしていたでしょう。
メニューを読んでみると、えらいもんで、テキーラの品揃えが充実していました。大阪の友達はテキーラが大好きなのですが、「このままやとここで死ぬことになるで」とよだれをたらして誘ってきたので、テキーラを頼まれる前に「タコス※3種盛り合わせ」を注文します。
絶妙なタイミングでやってきた店員さんのおかげで命拾いしました。病院のナースコールの対応くらいプロフェッショナルでびびります。
ホッケのタコスに、ホッケとサルサ(メキシコのトマトソース)が混ぜられていたことに驚きました。「日本のホッケ定食に、なぜサルサがついていないのか?」と抗議したくなる味わい。
サツマイモのタコスには、カシューナッツのサルサと京都の九条ネギが含まれていて、これにもショックを受けました。今後、焼き芋にはカシューナッツと九条ネギをかけていこうと思います。
ピオピコの料理について、ウェブサイトにこのような説明がありました:
“LAで育ったメキシコ系アメリカ人のウェス・アヴィラ監修によるバー&タコスラウンジのPIOPIKO(ピオピコ)。「伝統的なメキシコ料理」をオリジナルにしながら、京都や近県で採れた食材を使用したコンテンポラリーなタコスメニュー”
けしからん説明です。
デザートに、メキシコの定番スイーツ「トレスレチェ」を食べました。
「『カステラやクッキーを牛乳につけて食べる』で味わえる幸福のてっぺんがここなんだな」という感覚におちいり、「至福ってメキシコにあったのか」と、自分の国籍を恨みます。トラウマに近い体験をさせられました。
ちなみに、ピオピコのタコス3種盛り合わせは、ドリンクが一杯ついて2400円です。トレスレチェは800円です。3200円のお食事としては、けしからんほうだったと思います。
お店の居心地としては、二人組で覆面調査をしていることがバレない居心地の良さで、かえって不安になるくらいでした。「複数でしていたらもっと楽しかっただろうな」と後悔させられる空間。
はっきり言って、ピオピコは控えめに言っても最高なお店だと思います。
評価:★★
ピオピコがあるエースホテル京都では、「LGBTQA+ FRIENDLY」をうたった結婚式や、LGBTQフレンドリーなイベントが行われています。
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「国際トランスジェンダー認知の日」にちなんだエースホテル京都のイベントに関する動画。