これから夏に向け、浴衣などの和装への関心が高まるが、意外にも浴衣を正しく着付けられる人は少ない。
そこで今回は、日本男児の教養として知っておきたい『正しい浴衣の着付け方』をわかりやすく紹介していく。
また、浴衣と合わせるなら下着は「六尺ふんどし」を締めると粋だろう。
日本男児の雰囲気を醸し出すふんどしは、浴衣に合わせてこそ映える。
本記事では、正しい浴衣の着付け方から、浴衣選びのポイント、粋なふんどしの締め方まで詳しく紹介。
まずは浴衣の名称から
まずは、浴衣の着付けに必要な一式から紹介。
基本的に、「浴衣」「帯」「腰ひも」「下駄」の4つがあればOK。今回はこれに「六尺ふんどし」を足した5点セットだ。
人によっては肌着を付ける人もいるが、そのまま着た方がセクシー度合いがUPする。
浴衣を着つける前に、まずは各名称について紹介。
すべて覚えなくてもいいが、着付けで重要になってくる「下前」「上前」「掛けえり」「背縫い」の4箇所だけはおさえておこう。
帯について。
帯は左右どちらか先端を「手」と決めて、手の反対側のことを「たれ」という。帯は「手」から結びはじめる。
浴衣は慣れると2・3分で着付けられるようになる。まずは浴衣~腰ひもまでの手順を紹介。
①浴衣をはおる。
両側の袖口を持ち、背縫いをカラダの中心に合わせる。
②浴衣の左右の掛けえりをそろえて持つ。
続いて、両手を自然に伸ばしたところで、浴衣の両えりを持つ。えりが首から離れないよう注意。
③上前を開き、下前のえり先が左の腰骨のあたりにくるように、下前を合わせる。
④上前のえり先が右の腰骨あたりにくるように、上前を合わせる。
この時に着丈を調節する。すその長さは、すそがくるぶしにかかるか、少し短いぐらいが丁度よい。
⑤右手で上前のえり先を押さえたまま、左手で腰ひもの中心をもつ。
上前のえり先に腰ひもを当てて左にそわせる。腰ひもは腰骨の高さに。
⑥腰ひもを後ろにまわし、交差させて前へ。
⑦前にきたら一回結ぶ(腰ひもが長いようであれば2回結んでもOK)。
⑧結んだ部分を交差させる。
⑨腰ひもの左右の端を、上から中に入れる。
⑩浴衣+腰ひもまで完成。
腰ひもは帯に隠れるので、あまり神経質にならなくて大丈夫。
続いて「帯」だ。
帯の結び方はいろいろあるが、今回は「貝の口」を伝授。別名「男結び」といわれているほど、最もオーソドックスな男性の帯結びなのだ。
①帯の「手」の端から、40cm~50cm取り、半分に折る(折り目が下にくるように)。「手」の元をカラダの中心に当てる。
②「手」の元をカラダに当てたまま、さっきの腰ひもの上に1回巻いて、締める。そのあともう一巻きする。
帯を2回巻いたら、右手を伸ばしたところで帯を持つ。
「たれ」が地面に着くくらい余っているようであれば、もう一周カラダに巻く。(通常は2回巻くでちょうどいいが、体型によっては3回巻く人もいる)
③残りの帯を持ち、「たれ」を内側に折り込む。
④カラダの中心にて。「手」に「たれ」をかぶせる。
⑤そのまま結び「たれ」を上に出す。
⑥「たれ」を垂直に立てる。
⑦「手」を斜めにあげる。
⑧「たれ」を下に折るり、「手」の輪の中にたれを通し、上に引き出して結ぶ。
⑨結び目が完成
⑩右手で帯の上、左手で帯の下を持ち、今作った結び目を右回りに後ろに回す。
*「右回り」がポイント。左に回すと浴衣が崩れやすい。
11 結び目を後ろに。
後ろから見て、正面よりもやや左に寄っている方が粋に見える。
12 完成
横から見ると、帯が前下がりになっていると良い。
浴衣を粋に着こなすポイントは以下2つ。
①帯は「腰骨」の位置に
帯は必ず「腰骨」の位置に巻くこと。これが間違っていると一気にカッコ悪くなる。
また完成した帯を横から見たときに、お尻から前にかけて下がっている状態(前下がり)になっているかをチェック。
②掛けえりがしっかりに首についていること
掛けえりが首に付いていることが大事。前から見た「Vゾーン」にはゆとりがあっていいが、えりが抜けていると間抜けな印象に見えてしまうので注意。
③身長に合った浴衣を選ぼう
浴衣の丈の長さはくるぶしの位置か、少し上ぐらいに。着丈が長めだとダラっとした印象に見えてしまう。
男物の浴衣は身長でサイズが決まっていることが多いので、しっかり自分の身長に合った浴衣を選ぼう。
「浴衣はいつも無難な色を選びがち。。」そう、心当たりのある人も多いハズ。
浴衣はたまにしか着ないのに、着慣れていないせいか、無地の黒や、地味な縞模様ばかり選びがち。
何を選んでいいかわからない人ために、今回は3タイプの浴衣からオススメを紹介していこう。
爽やかな紺の浴衣で、夏らしさをプラス
紺や淡いブルーの浴衣は、爽やかな印象で夏にぴったり。
浴衣初心者や、若い子でも着やすいのでオススメだ。紺の浴衣には、同じ紺や黒い帯ではなく、白い帯を合わせてコントラストを付けよう。
ワイルドに行くなら、和柄にチャレンジ
せっかくの浴衣なんだし、日本男児風のワイルドさを演出したいなら、伝統的な和柄にチャレンジしよう。
写真は鯉柄の浴衣だが、渋いかと思いきや意外と誰でも似合いやすい。
浴衣にはいろんな和柄があるが、鯉、蝙蝠柄(コウモリ)、龍、といった動物モチーフが特にオススメ。
動物柄を選ぶポイントは、絵柄があまり細かくない(シンプルな絵)の方がモダンでスタイリッシュに見える。
お洒落なあなたには、洗練された白の浴衣はどう?
浴衣だと、どうしても黒無地や縞模様といった無難なものを選びがちだよね。
せっかく年に数回しかない特別な日に着るなら、目立ち度抜群の白浴衣をチョイスしてみてはどう?
写真は、白地に締め縄柄の個性的な浴衣。
白の浴衣はうっすら肌が透けるので、大人の色気も倍増すること間違いなし。
そして帯は、あえて角帯ではなく、カジュアルな「兵児帯(へこおび)」で抜け感を表現している。
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どうだろうか?
今年の夏は人とは違う、個性的な柄の浴衣にチャレンジしてみて。
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