英語のお笑い「スタンダップコメディ」をしている、スタンダップコメディアンのがくひろしま(凹凸)です。
スタンダップコメディとは日本でいう「漫談」のようなパフォーマンスのことで、英語圏では主流のお笑いジャンルのひとつとされています。
この記事では、LGBTQのスタンダップコメディアンたちの芸風を紹介しつつ、ゲイ男性として刺さった部分にコメントしています。
※動画を見るときは、自動翻訳をONにするとより楽しめます。
オープンリーゲイのアメリカ人スタンダップコメディアンが、ディラン・カルリーノ。
「ふざけたノンケ男性に見えるゲイ男性が、ゲイというカードを使って低俗にふざけてみる」という芸風で知られています。
「ふざけたノンケ男性がやりそうな悪ふざけのゲイネタはおもしろい」という見方ができそうな見ごたえで、笑ってはいけないのに笑ってしまいました。
オープンリーゲイのイギリス人スタンダップコメディアンが、ポール・フット。
「変人っぽい男性が、世の中のできごとに対して道徳に反した対応をしちゃう」という芸風で知られています。
「ゲイでーす!」みたいなことは決して言わないけれどゲイ丸出しなのが、良いと思いました。
オープンリーゲイのアメリカ人スタンダップコメディアンが、ジェロッド・カーマイケル。
「知的でおちついた雰囲気のゲイ男性が、不本意ながら不適切でありつづける」という芸風で知られています。
「カミングアウト祝福されてもなー、おちんちんしゃぶってんのに?」のような態度で、「もりあがる周囲と平熱の当事者」という温度差がコミカルに伝わってきます。
オープンリーレズビアンのアメリカ人スタンダップコメディアンが、シャンテ・ウェイアンズ。
「つっぱっている男性のような態度のレズビアン女性が、苦戦する」という芸風で知られています。
「弱い自分に対する自虐」という見方もできて、見応えがあります。「男はつらいよ」とか聞こえてきそうな雰囲気があって、昔気質な情緒を感じました。
オープンリーレズビアンのアメリカ人スタンダップコメディアンが、アシュリー・ギャビン。
「めっちゃ楽しい雰囲気のレズビアン女性が、苦境をバカっぽく楽しむ」という芸風で知られています。
するどい洞察と底抜けにポジティブな態度で繰り出される「うちらはうちらで楽しくやってっからW」みたいな態度が、痛快です。友達になってほしいです。
自分のセクシュアリティを明言せずに自分のセクシュアリティをいじったりするアメリカ人スタンダップコメディアンが、ケル・クライプ。
「愛くるしいオタクが、平和でダサい感じで調子にのったり自虐する」という芸風で知られています。
ゆるかわなのに事件を起こしそうな雰囲気があって、見飽きません。
バイセクシュアルでネパール出身のスタンダップコメディアンが、KC・ショーニマ。
「スタイリッシュでチャーミングな女性が、不適切でひんしゅくを買いそうなことを言う」という芸風で知られています。
セクシュアリティがどうのこうのより、女性から見た人間関係のリアリティを重視したような話が多くて、男性として勉強になりました。
トランスジェンダー女性でレズビアンのイギリス人スタンダップコメディアンが、ジョーダン・グレー。
「反逆的なトランスジェンダー女性が、自虐的な皮肉を言う」といった芸風で知られています。
「女性をわかっていない男性」として話すときに特にウケているように見えて、印象的です。
トランスジェンダー女性のアメリカ人スタンダップコメディアンが、ミクス・ダリア・ベル。
「教師のような風貌のトランスジェンダー女性が、下ネタをはさみながら説教していく」といった芸風で知られています。
「トランスジェンダー女性のディープな下ネタ」という聞き応えがあります。ゲイ男性としても共感できる下ネタがあって、考えさせられます。
「ノンバイナリー」と説明されることもある、インド系アメリカ人スタンダップコメディアンが、アロック。
「困った女の子のような態度の人物が、セクシュアリティに関する保守的な批判をとんちで論破する」という芸風で知られています。
「当事者以外も共感できる、LGBTQにまつわる話」といった聞き応えなのがすばらしくて、説法かと思いました。