中国のゲイ男性人口はおよそ2000万人と言われており、その80%に登る1600万人が女性と偽装結婚をし、家庭を築いているという調査結果が明らかとなった。
更に驚くべきは、ゲイ男性と結婚した妻の約90%以上が夫から肉体的・精神的暴力を受けているということだ。
中国では、結婚しているゲイ男性の妻を『同妻(Tongqi)』または『Homowives』と呼ばれている。中国・ハルビン大学が、ゲイ男性と結婚している妻173名を対象にした調査を実施したところ、90%以上が夫から暴力を受けていると答えた。内訳は以下の通り。
・無視する、態度が冷たい(37.6%)
・身体的暴力(38.7%)
・殺すと脅される(15%)
セックスに関して
・半年間に5回以下(40.5%)
・ほとんどない or 全くない(34.1%)
また、その他では、夫からHIVを感染させられた(12%)といった信じられない回答や、暴力を受けているにも関わらず、離婚したのは全体の内わずか31%という結果も判明した。
離婚率が低いことには、妻の経済的事情などが離婚の足かせとなっていると専門家は話している。同妻の約93%は「結婚したのは悲劇」だと語っている。
自らのセクシャリティを偽って結婚する中国のゲイ男性たち。
中国では家父長制に規範する文化的側面が強いことや、一人っ子政策等で、ゲイであることは社会から迫害受けやすい。また、ゲイ男性ともなれば社会的地位を失いかねないという脅威の中で生きている。
体裁を気にし偽装結婚をする夫と、暴力を受けながらも経済的な事情で離婚できない妻。
ゲイに不寛容な社会が生み出す、大きな負のスパイラルの一例なのかもしれない。