ビル・コンドン(Bill Condon)
ミュージカル好きなゲイにとって、ビル・コンドンの存在は必要不可欠だ。
彼は「シカゴ(2002)」を脚本し、「ドリームガールズ(2006)」の監督と脚本を務め、2017年に公開予定の、エマ・ワトソンが主演を務める実写版「美女と野獣」の監督も務めているのだ。またコンドンは「トワイライト」2作の監督も務めている。
コンドンが監督と脚本を務めた「ゴッド・アンド・モンスター(1998)」は、セクシャリティの探求がテーマとして扱われている鑑賞マストな映画だ。
スティーブン・ダルドリー(Stephen Daldry)
ダルドリーが監督を務めた映画「リトル・ダンサー(2000)」の主人公はゲイではないが、映画は「性自認と性的指向の模索」に焦点を当てていると言える。映画は、主人公である少年がプロのバレエダンサーを目指すという内容だ。
ちなみに主人公の親友であるマイケルはゲイである。また「めぐりあう時間たち(2002)」の中心人物はセクシャルマイノリティの女性である。ダルドリーは演出家としても熱心であり「リトル・ダンサー」の演劇化を行ったほか、2019年にはミュージカル「ウィキッド」を映画化する予定だ。
リー・ダニエルズ(Lee Daniels)
リー・ダニエルズが監督を務めた「プレシャス(2009)」は、見逃してはいけない現代映画の最高傑作といえるだろう。「ペーパーボーイ 真夏の引力(2012)」は、ヒューマンドラマの「プレシャス」と打って変って、スリラーな仕上がりになっている。
アメリカで2015年より人気を博しているTVドラマ「Empire 成功の代償」では、ゲイのアフリカ系アメリカ人を登場させ、アフリカ系アメリカ人のセクシャルマイノリティ可視化に一役買った。
グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)
カナダのフランス語圏であるケベック州出身の映画監督グザヴィエ・ドランはわずか19歳の時に「マイ・マザー(2009)」を発表して注目を集めた。それ以来、彼はセクシャルマイノリティに焦点を当てた、ダークだがスタイリッシュな映画を数多く製作している。
また、自身も子役から俳優デビューしており、自身が出演する作品も多い。
ドラン作品で必見といえば「わたしはロランス(2012)」だ。性別に違和感を抱えた主人公男性が、女性装により自分らしく生きる道を探求するストーリー。同作は、カンヌ映画祭のLGBT部門「クィア・パルム」に輝いている。
アンドリュー・フレミング(Andrew Fleming)
アンドリュー・フレミングの名前はあまり知られていないかもしれないが、カルト映画が好きな人なら彼の映画の名前ぐらいは聞いたことがあるのではないだろうか。
「ザ・クラフト(1996)」「キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!(1999)」「ロック・ミー・ハムレット(2008)」などは、フレミングが監督を務めている。近頃フレミングは、テレビドラマの製作に力を注いでいるようだ。
彼の作品は特にセクシャルマイノリティを扱っているわけではないが、”ゲイが好きな映画”を製作しているのは間違いないだろう。
ニコラス・ハイトナー(Nicholas Hytner)
ハイトナーは、これまでに舞台演出家として「ミス・サイゴン」や「ヒストリーボーイズ」、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの数々のシェイクスピア作品の演出を手がけてきた。ハイトナーが演出した舞台やミュージカルは50作品に上る。
ハイトナーは、自身が演出を手がけた舞台作品の映画監督も務めており、「ヒストリーボーイズ(2006)」や「The Lady in the Van(2015)」はハイトナーが監督を務めた。ハイトナーは他にも「私の愛情の対象(1998)」や「センターステージ(2000)」などの監督も務めている。
ジョディ・フォスター(Jodie Foster)
ジョディ・フォスターは過去25年間の間、監督として1991年の「リトルマン・テイト」を皮切りに4作を世に送り出しているの。最新作である「マネーモンスター(2016)」は今年5月に公開されたばかりだ。
2013年にカミングアウトをしたフォスターだが、彼女の作品においてLGBTを題材にすることは滅多にない。しかし、1995年に公開されたフォスターの監督作「ホーム・フォー・ザ・ホリデイ」ではロバート・ダウニー・Jrがゲイの役を演じている。
また、フォスターはNetflixの「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のシーズン1の第3話「同性愛お断り」の監督を務めている。
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