ーあなたにとって愛とは何ですか
そもそも人間が嫌いなの。なんで嫌いかっていうと、他人に期待しすぎる自分がいるから。
僕の中の友達って、その人が第三者に友達だって紹介してくれて初めて、友達になれたと感じてるんだよね。自分から友達って言えないんだよ、怖くて。小中高と友達いなかったから。昔ね、小学校の時に友達と下校してる途中に、マンホールがあったの。で、なんかの拍子に僕がそこに落ちたのね、でもその友達は逃げて行っちゃったの。それを見て「あぁ…人間てこういうもんか…」って思っちゃたの。そこで助けることが出来るって、勇気のある人間だけでしょ?今となっては、それは仕方のないコトだって解ってんだけどさ、でも凄いショックだったんだよね。
人気者でもなかったし、どっちかっていうと虐められる側だったから。誰でも虐められたく無いじゃん、多数派の方が楽だしさ。だから虐める側に回るのは解るんだけどさ。でも最近思うんだよね、ある程度の年月を一緒に過ごしたら友達って言っていいんじゃないかってね、そこ遠慮しなくていいんじゃないかって思うようになってきたんだよね。まだ色々ね、線引きしちゃうんだけど。 あと僕ね、ダメな人が大好きなの。母親が大の賭博好きで、父親は貞操観念がめちゃめちゃ低いの、その影響なんだろうけどね。
去年の10月に元彼と別れて。その子の見た目も中身もダメなところも、全部がピンポイントすぎて。 僕の中で愛って共依存だと思ってたんだよ。その人の為に僕が、僕の為にその人が居るってのだと思ってたの。あわよくば手足切り落としたいとか、僕の名前とかタトゥー入れてやりたいの。顔に硫酸かけたいレベルで好きって言ったことあるんだよね、そしたら誰も寄ってこないじゃん。そういうの最高だよねって思ってた、相手は引いてたけど(笑)
でも相手は違ったの。相手の考える愛ってのが、お互いを自立させる為の愛だったの。僕が愛だって思ってるのは、好きが大きいだけなんだって。所有物にしたいだけでしょって言われて。依存し続けることでしか関係を継続できないなら、それは違うって思ったんだって。でもさ、僕みたいなクソみたいなに人間と一緒にいるよりは、もっとちゃんとした良い人と付き合った方が良いんじゃないかって、思ったりもしたんだよ。だけど言い出せなかった、一緒に居たかったから。
愛かぁ…。
僕が小さい頃の光景でさ、お母さんがお父さんに靴下を履かせてたのね。すっごい綺麗な光景で、それを毎日眺めるのが大好きだった。家の中での一番の眺めだったんだ、それも何時しか無くなっていったんだけどね。二人とも本当に超幸せそうだったの、二人ともね。
前の彼とは、それをやっていけるんじゃないかって思ったの。よく喧嘩もしたんだけど、喧嘩するのも好きだった。僕なりに全部受け止めてた気がするんだけど、それは愛じゃなかったのかな?って、自分を疑ってしまうよね。なんかずっとね、将来なんて考えたことなくて、どうでもいいやって生きてきて、でもその人とは将来を考えたんだよね。今死ねないやって思わせてくれる人だったんだよ。なんかコレ愛の話じゃなくて、ただの未練話になってるよね。
彼に何をしてあげたいかって? 決断力をあげたい、決断力が鈍い自分が嫌いって言ってたから、だから決断力をあげたい。だって、迷ってる時間がもったいないじゃん。迷わなければ、最短距離で幸せになれるでしょ?幸せになって欲しいじゃん、だって。(聞き手:そう願う気持ちは、何だと思う?)
そうか…そうかもしれない…。
相手に幸せになって欲しいと願う気持ちが、愛なんだと思う。