2021/12/27

東アジア初の快挙も!2021年台湾の注目LGBTニュース

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こんにちは!台湾在住ライターのMaeです。

 

2021年も、残すところわずかとなりました。みなさんにとって、今年はどんな1年でしたでしょうか?

 

台湾では今年も、話題となったLGBT関連のニュースがたくさんありました。

 

同性カップルの結婚制度に関する動きから、東アジア初で成し遂げられた快挙まで。今年2021年に現地で注目されたニュースをご紹介します。

 

台湾での国際同性カップルの結婚に続報!勝訴判決でさらなる進展も?

 

国際同性カップルの結婚実現を訴えるプラカードを掲げて、パレードを歩く参加者。

 

2019年5月に、同性カップルも結婚ができるようになった台湾。しかし現在でも、異性カップルの結婚とは差のある部分もあり、さらなる平等を目指しての動きが起こっています。

 

台湾人×外国人の「国際同性カップル」の結婚については、今年に入って大きな動きが。外国人パートナーの母国で同性婚が実現していない場合、台湾での結婚も認められない現状について、複数の同性カップルが訴訟を起こしています。

 

今年5月には、台湾人×マカオ人の同性カップルが、婚姻届を受理されなかったことに対し起こした訴訟にて勝訴。11月には、台湾人×シンガポール人の同性カップルにも、勝訴の判決が出ています。

 

ただし、これらの判決をもって、全ての国際同性カップルに結婚が認められるには至っておらず、勝訴した同性カップルにのみ結婚が認められている状況。しかし、この結果を受け、台湾での法改正が進めば、全ての国際同性カップルの結婚も、そう遠くない未来に実現するかもしれません。

 

12月23日には、台湾人×日本人の同性カップルも、台湾での結婚を求めて訴訟を開始する発表がありました。今後の動向に注目です。

 

関連記事 『同性婚実現から2年。台湾で「台日同性カップル」は結婚できるのか?』

 

 

性別適合手術の証明書なしでも、性別変更を認める判決。憲法上での審議へと進む可能性も。

 

台湾のLGBTプライドで掲げられた、巨大レインボーフラッグ。

 

LGBTの権利に関連する訴訟ではもうひとつ、注目のニュースがありました。

 

2019年10月、男性から女性への性別変更を求める当事者が、戶政事務所(台湾での戸籍管理を行う機関)へ手続きに訪れたところ、性別適合手術完了を証明する書類の不備を理由に、不受理に。

この出来事を受け、2020年3月に訴訟が起こされ、今年9月に「性別の変更を認めるべき」との判決が発表されました。

 

この勝訴判決も、国際同性カップルの場合と同じく、現段階では訴訟を起こした当事者のみに適用されるもの。性別を変更したいと願う全ての人に適用されるようになるには、法律上の整備が待たれることとなります。

 

しかし、さらなる希望の光も。「性別の変更を求める人々が、的確な法律の保障を受けられていない現状は、違憲状態にあるのでは?」とする、憲法上での審議が行われる可能性も出てきており、今後の動向に注目が集まっています。

 

台湾最大の音楽賞・金曲獎で、『刻在你心底的名字』が年度歌曲獎を受賞。

 

2020年映画公開時、台北駅の地下街に登場した『刻在你心底的名字』のポスター。

 

2020年に公開された台湾映画『刻在你心底的名字(邦題:君の心に刻んだ名前)』。同年に公開された台湾映画では、興行収入第2位となる大ヒットとなり、LGBTを題材とした作品としては、台湾映画史上初となる記録を打ち立てました。

 

今年2021年にも、この作品に関連する大きなニュースが。アーティスト・盧廣仲さんが歌う主題歌『刻在你心底的名字』が、台湾最大の音楽賞・金曲獎にて、「最佳年度歌曲獎(最優秀年度楽曲賞)」を受賞しました。受賞の瞬間、盧廣仲さんは次のように、この楽曲に込めた想いを語りました。

 

「希望這世界可以更溫柔一點,希望我們可以更溫柔去愛著,更溫柔地看待所有形狀的愛,最後,love wins.

(この世界がもっと優しくなりますように。私たちみんなが、もっと優しく愛せますように。あらゆる愛のカタチを、もっと優しく見つめることができますように。Love wins.

 

YouTubeでの再生回数は、5000万回を突破!映画の名シーンも盛り込まれたMVを、ぜひチェックしてみてくださいね。映画『刻在你心底的名字』は、日本のNETFLIXでも公開中です。

 

アジア最大級のLGBTプライド「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」が、初のオンライン開催。

 

2021年「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」のイベント特設サイト。

 

コロナウイルスの世界的流行の中、いち早く対策を打ち出し、防疫に成功していた台湾。しかし、2021年5月ごろからは、台湾でも国内での流行が警戒される事態となりました。

 

8月ごろには、再び落ち着きを取り戻しましたが、多くの大型イベントは中止や延期を余儀なくされることに。そんな中、アジア最大級のLGBTプライド「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」は、オンラインでの活動をメインに切り替えることで、中止・延期なしでの開催が実現されました。

 

10月30日(土)には、イベント特設サイト上にて、5つのテーマに沿ったライブ動画が公開に。ドラァグクイーンやGOGOBOYたちのパフォーマンス、台湾でのLGBTに関する現状を学べる講座などが配信されました。

 

 

「無色彩虹 異同走向無碼世界」のサイト上に再現された、バーチャル台北。

 

また、「無色彩虹 異同走向無碼世界」では、バーチャル世界の台北で、パレードに参加できる試みも。バーチャル台北の路上には、台湾のデジタル担当大臣・唐鳳さんや、YouTuber・夫夫之道さんなどからのメッセージが再生されるシステムも盛り込まれていました。

 

サイトは現在も公開されていますので、ぜひレインボーフラッグ片手に、バーチャル台北を旅してみては?

 

東アジア初!2025年「ワールドプライド」の開催地が、台湾に決定!

 

LGBTプライドで掲げられた、台湾の形をモチーフにしたレインボーフラッグ。

 

2021年は、LGBTイベントに関する、もうひとつのビッグニュースが。

 

世界各都市から開催地が選ばれ、2年に1度行われている世界規模のLGBTイベント「ワールドプライド」。2025年の開催地が、台湾に決定しました!

 

台湾南部の街・高雄にて毎年行われている「高雄同志大遊行(高雄プライド)」が主体となり、開催地に立候補。今年11月に結果が発表され、東アジア初となる快挙が実現しました。

 

2019年に、アメリカのニューヨークにて開催された際には、およそ500万人が集まったと伝えられているワールドプライド。2025年は台湾史上、いや東アジア史上最大の盛り上がりとなること必至です!

 

***

 

2021年台湾で話題となった、注目のLGBTニュースをご紹介しました。

 

2019年の同性カップルの結婚実現以降も、さらなる平等に向けて歩みを進める台湾。2022年は、世界にどんな姿を示してくれるのか、来年の動きからも目が離せません!

 

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