
こんにちは!台湾在住ライターのMaeです。
10月25日(土)。「台灣同志遊行(台湾LGBT+プライド)」が、台北にて開催されました。今年も参加者およそ15万人を集め、大盛況!アジア最大級のパレード当日の様子を、現地からレポートします!



パレードの出発地点兼会場となったのは、台北101のお膝元にある台北市政府前。車両通行止めの歩行者天国となった道路には、LGBT関連団体や協賛企業、クリエイターなどの出展ブースがずらりと並びます。
会場への入場はもちろんのこと、個人であればパレード参加への事前登録等は不要。身ひとつで会場まで来れば、どなたでも自由にパレードを歩くことができます。


特設ステージでは、アーティストによるライブパフォーマンスも。
パレード出発までまだ1時間近くあるにも関わらず、ステージ前まで辿り着けないほど、すでにたくさんの参加者で賑わっています。

前にも後ろにも進めない盛況ぶりだったので、一旦会場を離脱して、ひと足先にパレードルートの沿道にて待機。途中からパレードに合流するのもOKなので、沿道から鑑賞した後、隊列に加わって歩き始めることにします。
逆に言えば、パレードからの離脱も自由。路肩のベンチに座って休憩したり、飲み水を買い足しに行ったり。自分のペースで完全自由に楽しめるのも、台北のパレードならではの魅力です。

台湾LGBT+プライドには毎年、テーマが設定されています。
2025年のテーマは「超・連結——跨越標籤,理解差異」。世界的にLGBT+コミュニティへの風当たりが強くなりつつある昨今。こんな時だからこそ、まずはリアル世界で顔を合わせて、互いの違いを分かり合うことが求められているのでは?
そんな観点から、ハイパーリンクを意味する「超連結」という言葉を象徴として掲げ、台湾および世界の風潮に切り込んでいくテーマとなっています。
第 23 屆臺灣同志遊行提出「超・連結——跨越標籤,理解差異」作為今年號召與行動的起點。我們以「超連結」(Hyperlink)作為網路資訊時代的象徵,探討網路社群的輿論環境如何塑造、甚至影響大眾對性與性別議題的認知;同時更強調「超・連結」(Beyond Links),呼籲社會不要停留在表層的線上互動及符號,而是要跨越既有的標籤與偏見,重新建立人與人之間真實深刻、能理解彼此差異的連結。
在這片由演算法、身分標籤與匿名性交織而成的數位疆域中,「連結」的意義時常被稀釋為表層的點擊、按讚與分享。我們習慣以簡化的標籤去定義他人,用戲謔的言論作為武器,卻遺忘了螢幕彼端,其實是一個個真實而立體的生命。
因此,今年 10 月 25 日,臺灣同志遊行想誠摯邀請每一個人,從自己出發,讓每一次的「連結」超越數據的表象,去觸碰真實的生命故事。唯有跨越由偏見、恐懼所築起的標籤,理解每個獨一無二的生命經驗差異時,我們才能編織出一個更有韌性的社會,讓臺灣成為一個更加多元平等、也更能接納並尊重彼此的國度。
23回目となる台湾同志遊行では、「超・連結——跨越標籤,理解差異」を、呼びかけと行動の出発点として掲げました。「超連結」(ハイパーリンク)をインターネット時代を象徴する言葉として用いることで、オンラインコミュニティの世論環境が、性やジェンダーに対する大衆の認識をどのように形作り、影響を与えているのかについて、考えていきたいと思います。表面的になりがちなオンラインでのつながりや「いいね!」のやり取り。そこだけに留まることなく、既存のタグ付けや偏見を越えて、人と人とのリアルなつながりをもう一度作り直し、互いの違いを理解し合う。「超・連結」(リンクを超えていくこと)を、強く訴えていきたいと思います。
アルゴリズムやID、匿名性が織りなすデジタル領域において、「つながり」の意味はしばしば、表面的なクリック、いいね、シェアへと希薄化されています。簡略化されたタグで他者を定義し、嘲笑うような発言を武器として用いる現象が頻繁に見られますが、画面の向こう側にあるのが、立体的な真実の命であることを忘れてはなりません。
10月25日は、表面的なデジタル領域にいるのではないリアルな自分で、あらゆる「つながり」を真実の命の物語として受け止めましょう。偏見や恐れによって築かれたタグを越え、各々の唯一無二の人生経験を理解した時こそ、台湾をよりしなやかで、多様かつ平等で、互いを受け入れ尊重し合える国へと導けるはずです。


台湾LGBT+プライドには例年、北回りと南回りの2ルートが設定されています。
目星をつけていたパレードカーに続いて歩くも良し、その場のノリで決めるも良し。いずれのルートを選んでも、街を挙げてのお祭り騒ぎな賑やかを楽しめます。





車両通行止めにされた4車線分の道路をすっぽり覆い尽くす巨大レインボーフラッグが先陣を切ると、それに続いて走り出すパレードカー。
両ルート合わせて30近くものパレードカーが登場し、大音量のダンスミュージックを響かせながら、台北の街をゆっくりと走り抜けていきます。





それぞれのパレードカーに続いて、思い思いのカラフルな出で立ちでパレードを歩く参加者たち。アイデアとユーモアあふれるコスチュームたちも、隊列に華やかさを添えています。
雨が降ったり止んだりの、肌寒いコンディション。それでも、およそ15万人もの参加者が集まり、例年に全く引けを取らない盛り上がり!年々国際色が豊かになっており、近隣のアジア各国はもちろん、欧米圏からの参加者もますます増えている印象を受けます。


今年目立ったのが、トランスジェンダー差別について言及したプラカード。実はパレード開催の2週間ほど前、あるパレードスタッフがSNS上にてトランスフォビアと受け取れる発言をし、炎上する事件が起こっていました。
お祭り騒ぎの一方で、パレードではこの出来事に対する抗議の意味を込めたメッセージも多数。LGBT+、とりわけトランスジェンダーへの風当たりが強くなりつつある昨今の世界情勢も受け、多くの参加者が支持を訴えるプラカードを掲げていたのが印象的でした。




2時間半ほどをかけ、ぐるっと台北の街を練り歩いたパレードは、出発地点の台北市政府前へ。あいにくの天気ではありましたが、今年も力強さと祝福に満ち溢れた1日となりました。
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台北より、10月25日(土)に開催された「台灣同志遊行(台湾LGBT+プライド)」の様子をレポートしました。
毎年10月の最終土曜日に開催されている台北のパレード。来年はぜひ、アジア最大級のパレードを現地で体感してみては?