神童と呼ばれ、世界中から注目される映画監督グザヴィエ・ドラン。彼の4作品目となる『トム・アット・ザ・ファーム』が10/25 (土) より劇場公開される。
劇作家ミシェル・マルク・ブシャールの同名戯曲の映画化となり、ドランにとっては原作物を扱う初の試みとなった。彼の得意とする色彩豊かなミュージックビデオを感じさせる世界観を本作では一切排除し、戦慄するサイコスリラーに挑んだ意欲作だ。
スリリングで官能的。叶わぬ恋を描く、ドランの狂気と世界観の虜になるだろう。
― グザヴィエ・ドラン ―
1989年、カナダ生まれの25歳。6才で子役デビュー後、声優、俳優、映画監督、脚本家といった多才な顔を持つ。18歳で処女作『マイ・マザー』でカンヌ国際映画祭出品となる快挙を果たし、『わたしはロランス』では同映画祭のクィア・パルムを受賞。『トム・アット・ザ・ファーム』ではヴェネツィア国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞、2015年日本公開予定の『Mommy(原題)』ではカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞している。また、ゲイであることをカミングアウトしており、自身の経験をテーマにした作品を手掛けることが多い。
STORY
モントリオールの広告代理店で働くトム(グザヴィエ・ドラン)は、交通事故で死んだ恋人のギョームの葬儀に出席するために、ギョームの実家である農場に向かう。そこには、ギョームの母親アガット(リズ・ロワ)と、ギョームの兄フランシス(ピエール=イヴ・カルディナル)が二人で暮らしていた。
トムは到着してすぐ、ギョームが生前、母親にはゲイの恋人である自分の存在を隠していたばかりか、サラ(エヴリーヌ・ブロシュ)というガールフレンドがいると嘘をついていたことを知りショックを受ける。さらにトムはフランシスから、ギョームの単なる友人であると母親には嘘をつきつづけることを強要される。
恋人を救えなかった罪悪感から、次第にトムは自らを農場に幽閉するかのように、フランシスの暴力と不寛容に服していく――。
『トム・アット・ザ・ファーム』
2014年10月25日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽