全編iPhoneで撮影を行ったという、気鋭のインディペンデント系LGBT映画『タンジェリン』が、2017年1月に日本公開が決定した。
同作は、ロサンゼルスのウェストハリウッドを舞台に、トランスジェンダー女性二人の日常や切ない友情と恋愛を、3台のiPhoneによる斬新な撮影方法で、リアルかつユーモラスに描いている。
監督、脚本、撮影、編集、プロデュースまでこなすアメリカン・インディ界の気鋭ショーン・ベイカー監督は、複雑なトランスジェンダーの世界を描くために、LAの裏通りを歩き回って協力者を求め、そこで出会ったのが本作で役者として登場するキタナ・キキ・ロドリゲスとマイヤ・テイラーだった。
ベイカーは、彼女たち自身が体験したことや友人たちから見聞きしたことをベースに脚本を書き上げ、iPhoneならではの自由自在なカメラワークで、彼女たちが生きるLAのストリートの空気感を見事に捉えて表現している。
著名映画批評サイト「 Rotten Tomatoes」では 97%の高評価を獲得し、世界各国の映画祭を席巻した本作。
超低予算を逆手にとった創意工夫の発想を、確かな技術力によって独創的な映像世界へと昇華。下ネタ満載の爆笑コメディながら、最後に待ち受ける切なく美しい友情のかたちにホロッとさせられる感動作に仕上がっている。
『タンジェリン』は、2017年1月下旬より、渋谷シアター・イメージフォーラム他全国順次公開予定。