ファッションブランド「ディーゼル(Diesel)」が、ゲイアプリのグラインダー(Grindr)、アダルト動画サイトのポルノハブ(Pornhub)にて広告展開をすることが分かった。
仕掛け人は、ディーゼルのアートディレクター、オープンリーゲイのニコラ・フォルミケッティ。
「僕たちのブランドはセクシーなんだ」とフォルミケッティは言う。「我々は、アンダーウェアのコレクションの広告をグラインダーに出す最初のブランドであり、ポルノハブと契約を結ぶ最初のブランドだよ。メッセージはいたってシンプルなんだ。『抜く前に見て』だよ。」
革新的なネット広告を打ってきたディーゼルだが、これまで以上にネットを駆使した広告戦略を図るようだ。
例えば、インスタグラムでは、モデルの公開オーディションを呼びかけをしたり、おびただしい程のハッシュタグも作られた。ついには、独自の絵文字まで作られたのだ。「オンラインでもオフラインでも、僕たちの生きる世界を反映したいんだ。それが僕のディーゼルへのアプローチの仕方だよ。」
「僕たちのブランドはグローバルブランドだから、多くの人へ訴えかける必要があるんだ。そして、商品はただ売るだけではいけないし、メッセージはシンプルでなければいけない。人種から体型まで、僕は違いや特徴を祝福して欲しいね。変容する世界に生きながらね。」「僕は、人々が本当の自分になれるようなディーゼルの世界を創りたい。「自由」が僕たちの合言葉だよ。」
広告出稿先であるアダルト動画サイトのポルノハブは、今月初め、2015年に212億回サイトへのアクセスがあったと発表。これは世界で64番目にアクセス数のあるウェブサイトである。
またグラインダーは世界に700万人のユーザーを有しており、最近ライフスタイルブランドの確立の意向を示したところだ。
昨年11月、グラインダーのCEOジョール・シムカイは成長するブランドの役割についてこの様に述べている。「我々はゲイ男性の悩みを解決している。最初に取り組んだのは「誰が周りにいるか?」だった。今我々は更なる課題解決に取り組もうとしているんだ。」
グラインダーとのコラボレーションに興味を示したブランドは、ディーゼルが最初ではない。
先日、グラインダーとコラボでコレクションを披露した「J.W. アンダーソン(J.W. ANDERSON)」は、「ファッションは、究極的にはセクシーなプラットフォームなんだ。僕たちはみんな人間だ。ということは、みんな誰かしらにとって性的に魅力的である必要があるんだよ。服を着ていても、挑戦するところは同じだということだ。」と発言している。
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グラインダーのマーケティング副社長は、「グラインダーにとって最高の組み合わせ」「アプリのユーザーは、好奇心が旺盛だし、探究心も強いから、彼らを最先端のカルチャーとつなげてみたいんだ」と語っている。
世界的ファッションブランドが、出会い系アプリ&アダルト動画サイトなどの「セクシーなプラットフォーム」へ広告展開を図るのは異例中の異例。今後の展開に注目したい。