新しく発表された調査によれば、英国ではHIVの新規感染者数が減少しており、その減少率は驚異の71%だということが明らかになった!
「パブリック・ヘルス・イングランド」が発表した最新調査によると、英国ではHIV新規感染者数が2012年の2,800人から、2018年は800人と大幅に減少。6年間で71%減という驚異的な数値を見せた。
これには、新しいHIV予防法「PrEP(プレップ)」が大きく影響しているそうだ。
PrEPは、セックス前に予防薬(ツルバダまたはデシコビ)を服用することで、HIV感染を99%~ほぼ100%防いでくれるという画期的な予防法。
長年HIV感染を防ぐにはコンドームしかなかったものが、PrEPという新たな手段を選択する人が全世界で増えている。
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英国においてPrEPは、スコットランドとウェールズ在住のHIVリスクの高い性行動をしているゲイ・バイ男性が対象。それ以外では、オンラインで安価なジェネリック品を手に入れて服用している人も多い。
PrEPを広める活動家や団体らは、英政府に対してPrEPをより安価に誰でもアクセス可能にするよう求めている。
英国では、PrEPの使用のほかに、HIVを含めた性病検査がこの10年間で大幅に増加。
これには民間のセクシュアルヘルスクリニックの存在も大きく、ゲイ・バイたちが気軽にそして安価に検査できる環境が整っている。
調査を行ったマット・ハンコック保健長官は、2030年までに英国でHIV感染を終わらせる目標に向けて順調に進んでいるとのべている。
調査結果をうけて、英PrEPの啓発団体Prepsterのサンバ氏はBBCの取材にて、「これらはPrEPの使用、HIV検査の増加、早期HIV治療への迅速なアクセスを組み合わせたもので、非常にインパクトがあります」
「私たちは新しいHIV予防の時代に生きています」と語っている。
PrEPは、WHO(世界保健機関)が認める、99%以上のHIV予防効果が立証された予防法。アメリカ、英国、オーストラリアなど欧米を中心に広がり、最近はタイ、台湾などアジアでも浸透しつつある。
しかし日本では依然として認められていない。
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