HIV予防法の「PrEP(プレップ)」をしている人は、セックス依存や薬物使用の割合が減ることが、最新の調査によって明らかになった。
医学誌「ランセット」に掲載された報告書によれば、オランダ・アムステルダムの性感染症クリニックが、PrEPユーザー340人以上を3年間調査。
目的は、PrEPを使用することで「メンタルヘルスや依存症にどのような影響を及ぼすか?」を調べたもの。
その結果、セックス依存の割合は、3年間で23%から10%と大幅に低下。薬物使用の割合は38%から31%へと低下した。
また、アルコール使用、不安やうつについては明確な低下が見られなかったものの、HIV感染にたいする不安は大きく低下している。
ちなみに多くの研究で、LGBTQはストレートに比べてメンタルヘルスの問題(うつ、不安など)や薬物問題をかかえる人が多いことがわかっている。
そんな中、PrEPを長期間使用することで、セックス依存や薬物使用が低下するという調査結果には驚きだ。
PrEPは毎日服用すればHIV感染を99%おさえてくれる、今までにない画期的なHIV予防法だ。
研究者は低下の理由について、HIV感染にたいする不安が減ったことで、セックスの衝動の抑制や、薬物への依存度が低くなった可能性があるとのべている。
また、PrEPをしている人は3ヶ月に1度、クリニックで性病検査をうける必要があるため、定期的な健康診断をすることによって、自身の性の健康にたいする意識が高まり、それがセックス衝動の低下につながっているのでは?とも考察している。
その一方で、「不安やうつの割合は変わらないのに、なぜ薬物使用が減ったのかがハッキリしていません」とものべており、今後さらなる調査の必要性ものべている。
調査が行われたアムステルダム他、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどではPrEP使用するゲイ・バイ男性がとても多い。アメリカではゲイの3人に1人がPrEPを使用しているという調査結果 >>もあるほどだ。
日本では国としてPrEPを認めてはいないが、個人輸入で使用する人は年々増えている。
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