世界最高峰の映画の祭典「第90回アカデミー賞」授賞式が、日本時間3月5日に開催された。
今年はLGBTテーマの作品が2本ノミネートされ、トランスジェンダー映画『ナチュラル・ウーマン』が外国語映画賞に、ゲイ映画『君の名前で僕を呼んで』が脚色賞に輝いた!
チリ初のトランスジェンダー映画『ナチュラル・ウーマン』は、トランス女性の主人公マリーナが、最愛の恋人を失い思わぬトラブルに巻き込まれていくストーリー。トランスジェンダーに浴びせられる差別や偏見を描いた作品で、自身もトランス女性であるダニエラ・ヴェガが演じる。
見事「外国語映画賞」を受賞し、実際のトランス俳優が演じたトランス映画としては史上初の快挙に!(過去にジャレッド・レトが演じた『ダラス・バイヤーズ・クラブ』があるが、レト自身はストレート男性)
また、4部門にノミネートされていた大本命のゲイ映画『君の名前で僕を呼んで』は、主要賞を逃したものの、見事「脚色賞」に輝いている。
同作の脚色を手がけたジェームズ・アイヴォリーが受賞。
アイヴォリーはあの名作ゲイ映画『モーリス』の監督であり、オープンリーゲイ。また現在89歳ということもあり、史上最高齢の受賞となる!
受賞スピーチでアイヴォリーは、同作の甘酸っぱい青春ラブストーリーとかけて「ストレートだろうとゲイだろうとその中間の人だろうと、わたしたちはみな初恋を体験し、相手に恋する気持ちを伝えています」とスピーチした。
アカデミー賞の最高峰「作品賞」に輝いたのは『シェイプ・オブ・ウォーター』。
1960年代のアメリカを舞台に、声のでない主人公女性と半魚人の謎の生物との、言葉の壁をこえた究極のラブストーリーを描く作品。
その他のアカデミー賞受賞作品は以下のとおり。
作品賞:『シェイプ・オブ・ウォーター』
監督賞:ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』
主演男優賞:ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
主演女優賞:フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』
助演男優賞:サム・ロックウェル『スリー・ビルボード』
助演女優賞:アリソン・ジャニー『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
外国語映画賞:『ナチュラル・ウーマン』(チリ)
脚本賞:ジョーダン・ピール『ゲット・アウト』
脚色賞:ジェームズ・アイボリー『君の名前で僕を呼んで』
撮影賞:ロジャー・ディーキンス『ブレードランナー 2049』
編集賞:『ダンケルク』
美術賞:『シェイプ・オブ・ウォーター』
衣装デザイン賞:マーク・ブリッジス『ファントム・スレッド』
メイク・ヘアスタイリング賞:辻一弘氏『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
作曲賞:アレクサンドル・デスプラ『シェイプ・オブ・ウォーター』
歌曲賞(主題歌賞):Remember me『リメンバー・ミー』
録音賞:『ダンケルク』
音響編集賞:『ダンケルク』
視覚効果賞:『ブレードランナー 2049』
長編アニメ映画賞:『リメンバー・ミー』
長編ドキュメンタリー賞:『イカロス』
短編ドキュメンタリー賞:『Heaven Is a Traffic Jam on the 405』
短編アニメ映画賞:『Dear Basketball』
短編実写映画賞:『The Silent Child』