人間だけでなく、動物にも「同性愛」があることを知っているだろうか?
新たに発表されたアカゲサルの研究によれば、「マウンティング」のなかには、オス同士のセックス目的もあることが判明した。
「マウンティング」とは社会的地位を示すためだけに行われると思いがち。
しかし、オス同士の絆を深め合う同盟協定のような機能も果たしている。
調査では、野生のアカゲサルコロニーで236匹のオスを対象に、マウンティング行動を72日間にわたって追跡。
すると、マウンティングを行うオスザルたちは実際にセックスを行っており、その後の行動も変化していった。
マウンティングをしたオス同士は争いが起きた際にお互いを支援する確率が高く、共通の敵と戦った後にも同性間のマウンティングが頻繁に起きることがわかった。
人間とちがい、動物は子孫繁栄が大事なミッション。
同性愛を行うことは、生殖のさまたげにならないのだろうか?
性別ごとにマウンティングを行うケースを比較した結果、オスザルの72%が他のオスにマウンティングを行った一方で、メスに対してマウンティングを行ったのは46%に過ぎなかった。
オスザルたちは異性よりも同性により多くアプローチをしており、セックスを通じて絆や同盟を結ぶ方法を選んでいたと考えられる。
さらに、同性マウンティングを頻繁に行うオスザルたちは、子孫を残す数がマウンティングを行わないオスザルよりも多かったことが判明。
この結果は、同性愛が子孫繁栄を妨げるのではなく、逆に成功に導いていることを示唆している。
同性愛は競争に勝ち子孫を残すために、進化的に獲得された生存戦略の一部である可能性が高い。
これらの研究結果は、同性愛が霊長類において重要な役割を果たしていることを示し、同性愛の性質が生存競争において有利であった可能性があるという新たな視点をもたらしている。
ちなみに、動物における「同性愛」は頻繁に見られており、他の例を紹介した記事「自然界に存在する、ゲイ&バイセクシャルの動物たち >>」もあわせてチェック!