「オール・アバウト・マイ・マザー(1999)」「トーク・トゥ・ハー(2002)」などのアカデミー賞受賞作品で知られる、オープンリーゲイの映画監督ペドロ・アルモドバルが、インターネットラジオで「ブロークバック・マウンテン」の監督を務める可能性があったことを明かした上で、自身の幻となった「ブロークバック・マウンテン」構想について語った。
実際には台湾出身のアン・リーが監督を務め、ヒース・レジャーとジェイク・ジレンホールが、互いへの許されない想いに葛藤する二人のカウボーイを演じたが、アルモドバル監督が指揮をとったらどのような映画になっていたのだろうか。
アルモドバルは、「私が「ブロークバック・マウンテン」を描くなら、もっとセックスシーンを入れたね」と語っている。
アルモドバル監督曰く、原作において二人のカウボーイの恋は、もっと動物的だったそうだ。イニスとジャックのセックスは、物語においてハイライトと言っても過言ではないという。
もちろん監督は映画の「ブロークバック・マウンテン」が嫌いな訳ではない。むしろ、映画の脚本や出演していた俳優を気に入っており、また自身の描き方をハリウッドで実現するのは難しいかもしれないとも感じているようだ。
いずれにしても、「ブロークバック・マウンテン」がハリウッドというメジャーなメディアによって描かれたことは、ゲイの人たちが社会において認知される大きな転換期になったに違いない。