あなたの周りに、周囲から見ると相当マッチョなのに、本人は「まだまだ俺は小さい…」と悲観している人はいないだろうか?
常に「まだまだ…」と思うマッチョな彼らは、もしかしたら「筋肉醜形障害」かもしれない。
「筋肉醜形障害(Bigorexia/ビゴレキシア)」とは、自身の体が実際は逞しいのに、慢性的に貧弱だと不安に駆られる身体醜形障害の一種のこと。
ただ不安になるだけではなく、自身をよく見せたいとする強い脅迫観念に駆られ、高確率でうつ病を引き起こしてしまう精神疾患だ。
特に、カラダを鍛える文化のある欧米圏では、近年問題視されている。
英BBCが、そんな「筋肉醜形障害」の男性を密着取材したドキュメンタリー番組を作成。
ドキュメンタリーに登場する男性は、誰が見ても”十分マッチョ”にも関わらず、「まだまだ俺は小さい…」と感じている。
彼に撮影用ビデオを渡し、日々の生活を録画してもらったところ、彼は毎朝5時半起きでご飯を作り、筋肉の為に1日7食を日課とする。
24時間365日、仕事中もプライベートも、常に筋トレのことで頭がいっぱいだ。
彼の通うジムのオーナーにも話しを伺ったところ、同ジムに通うお客はマッチョな男性が多いが、「筋肉醜形障害」にかかっている人を多く感じるそう。
また、その中の約70%は、トレーニングだけでは物足りず、なんとステロイド注射まで行っているそうだ。
取材班は「筋肉醜形障害」により息子を亡くした母親を取材。
母親によると、息子は10代の時から過度な筋トレを続け、それだけでは物足りず、ステロイドに手を出していた。
その結果、17歳で心臓病を発症。入院し治療を行ったが、トレーニングを止められない彼は、過度な筋トレ+ステロイドを打ち続け、20歳の若さでこの世を去ったのだ。
専門家によると、イギリスにおいてジム通いの男性10人に1人は、この「筋肉醜形障害」に陥っていると話す。
「男性は”男は筋肉”というメディアからの刷り込みがある。男性は女性よりもボディーイメージを気にする傾向がある。」と注意を呼び掛けている。
欧米人に限らず、カラダを鍛える文化のあるゲイ達にとっても、同疾患を引き起こしやすく問題視されている。
あなたの周りの人、もしくは自分自身に思い当たる節はないだろうか?
ぜひこの機会に考えてみてほしい。